メディアとの関わり 多様化浮き彫りに 「月~金外出族」で「夜中心テレビ視聴型」が12.7%で最多 新聞に最も接触していた日中在宅の「テレビ専念視聴型」
朝起きて新聞を読む、通勤時にスマートフォンでニュースを読む、帰宅して録画したテレビを見る-。メディアや生活習慣の多様化で、こんな“典型例”に収まらないライフスタイルの人が増えつつある。人々が生活の中で実際にテレビや新聞、ラジオ、スマホなどにどう接触しているのか、実態をつぶさに解析した研究が、7月に広告会社の電通から発表された。
メディアは従来、視聴率や部数といった指標の中で語られることが多かったが、この研究では現代人が「1日、1週間といった時間の流れの中でどのようにメディアを視(み)る・聴く・読む習慣があるのか」が分かるのが特徴。テレビ視聴率調査で知られる「ビデオリサーチ」と共同で、東京近郊の12~69歳の男女4971人に行動を15分単位で1週間分記録してもらい、解析を進めたという。
シンクタンク「電通メディアイノベーションラボ」の美和晃(あきら)メディアイノベーション研究部長は、「現代人のメディアへの接触状況を、特徴的な7つの分類と、それをさらに細かくした30のカテゴリーにタイプ分けすることができた」と説明する。研究の成果について「ライフスタイルやメディアとの関わり方は変わってきているといわれているが、それを説明するきちんとした調査はなかった。今回の研究で裏付けを得られた」と語った。
30カテゴリーの中で最も当てはまる人が多かったのは、「月~金外出族」の中の「夜中心テレビ視聴型」。全体の12・7%を占めた。朝起きてテレビをつけ、日中は仕事や学校へ。日中はスマホなどを使い、帰宅するとまたテレビを見るような生活パターンだ。
新聞に最も接触していたのは、日中の在宅率が高い「テレビ中心族」の中の「テレビ専念視聴型」。家にいる間はテレビをつけっぱなしにしながら、新聞を25分程度読んでいる姿が浮かび上がった。
美和部長は「この研究を他の調査やデータと掛け合わせていくことで、もっと面白いヒントやビジネスチャンスが出てくる」と今後の展望を話している。
関連記事