【動画お届け】関空鉄道再開、大動脈復旧で駅ににぎわい戻る 利用客「早くて便利、助かる」

 
運行を再開した関空鉄道。大勢の空港利用客らが関西空港駅に降り立った=18日午前6時50分、関西空港駅(彦野公太朗撮影)

 関西国際空港の大動脈が18日、復旧した。台風21号の強風で関空と対岸を結ぶ連絡橋にタンカーが衝突、損壊した影響で運転を見合わせていた鉄道部分。JR西日本と南海電鉄が同日始発から運転を再開すると、早速多くの旅行客らが利用し、2週間ぶりに関西空港駅ににぎわいが戻った。

 午前5時34分、JR日根野駅(大阪府泉佐野市)では、スーツケースを手にした乗客らが続々と始発電車に乗り込んだ。羽田行きの便に乗るため同駅から乗車した大阪府泉佐野市の茶谷飛鳥さん(31)は「シャトルバスより電車の方が早くて便利なので助かった」と笑顔を見せた。

 始発電車はりんくうタウン駅(同市)を経由した後、連絡橋へ。損壊部分に差し掛かると、通常時の半分ほどに速度を落として進行した。損傷した橋桁はすでに撤去されており、車窓からは本来見えるはずのない道路の断面が見え、スマートフォンで損壊現場の写真を撮る乗客も。電車は約1分遅れで関西空港駅に到着した。

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 この日は南海も運行を再開。忠岡駅(忠岡町)から電車を利用した同町の私立大学1年、南出(みなみで)有紀乃さん(18)は「台風直撃後は飛行機に乗れるかすら心配だったが、電車も含めて復旧してよかった」と話し、友人と2人で千葉県への旅行に向かった。

 海外から関空に到着した人たちも運行再開を喜んだ。

 インドネシア・バリ島から帰国した兵庫県西宮市の会社員、塚田正俊さん(42)は「インドネシアに向かう際には関空が利用できなかったので復旧の早さを感じる。関空も少しずつ日常を取り戻すのでは」。韓国・ソウルから訪れたキム・ウンジュさん(24)は「先に日本に行った友人から、シャトルバスだと荷物の移し替えが大変と聞かされていた。鉄道で直接、難波方面へ向かうことができるのはありがたい」と歓迎した。

 関西空港駅のJR線ホームにあるコンビニエンスストアも、5日以降で初めて営業を再開。従業員が朝から棚に商品を陳列し、利用客を出迎えた。従業員の操野(くりの)由利美さん(65)は「閑散としていて寂しかった。多くのお客さんに来てもらい、以前よりもっとにぎやかになってくれれば」と話した。