住宅マンション市場「子育て支援」加速 共働き増に対応
住宅・マンション市場で「子育て支援」をセールスポイントとする取り組みが加速している。住宅購入の主力は子育て世代のファミリー層。各社は、子供がいる女性社員の声を取り入れて安全性を高めたり、共用スペースを子育て支援の拠点としたりと、安心して子育てができる環境作りに工夫を凝らしている。(藤谷茂樹)
女性社員の意見を反映
近鉄不動産は11月に発売する分譲マンション「ローレルスクエア東花園」(大阪府東大阪市)で、商品企画に子育て中の女性社員3人のチームが加わり、意見を反映させた。
ベランダにつながる掃き出し窓には、小さな子供の手が届かない高さにも鍵を設置して安全を確保。子供用のハンガーかけを低い場所に設けたり、洗濯物を室内で干せる物干しを設けたりして、子育て中の暮らしやすさを高めた。
共用スペースも工夫し、乳児用と幼児用の遊び場をそれぞれ設置。トイレは子供用の便器や、おむつ交換台を備える。担当者は「住まいを通じ、女性の社会進出や父親の子育て参加を助けたい」と説明している。
関電不動産開発は平成33年3月から順次完成させる分譲マンション「吹田市千里山プロジェクト」(同府吹田市)で、育児をサポートする先進的なサービスを取り入れる方針だ。
インターネットを通じて子育て支援に取り組むベンチャー企業などと提携し、保育園の送迎や家事の代行を互いに依頼できるシェアリングサービスを、周辺住民も含めて提供する。マンションの共用スペースを周辺住民にも開放し、サービスを利用しやすいコミュニティー作りに配慮する。
共働きニーズに対応
住宅関連業界が子育て支援に力を注ぐ背景には、共働き世帯の増加がある。総務省の労働力調査では平成9年以降、共働き世帯数が専業主婦世帯を上回り、29年には1.85倍にまで拡大。子育て環境へのニーズは一層高まっている。
注文住宅を手がける大和ハウス工業は今年4月、「子育てするイエのこと」と題して、子供の成長段階に合わせた住宅の仕様変更などを冊子やホームページで提案した。子供を見守りやすいオープンキッチン、家庭菜園に転用できる砂場、間取りや収納の工夫などを盛り込んでいる。
同社の新規顧客は未就学児のいる世帯が3割強を占めるという。広報担当者は「子育て世代と向き合ってきたノウハウの蓄積がある」とし、提案力を高めてニーズに対応していく構えだ。
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