生保、健康づくりあの手この手 独自に血液検査、人間ドック割引も
生命保険各社が医療機関などと連携し、健康づくりを後押しするサービスに力を入れている。独自に血液検査を実施したり、手厚いがん検診の機会を提供したり。主に保険加入者への特典だが、誰でも参加できるイベントもあるので、生活習慣の改善に役立てたい。(玉崎栄次)
ウオーキングイベントに1500人
「体育の日」の10月8日、埼玉スタジアム(さいたま市)で、明治安田生命保険が開催したウオーキングイベントには約1500人が参加。サッカーJ1・浦和レッズで活躍した元日本代表の鈴木啓太氏や現役選手らゲストとスタジアムの周囲約8キロを歩いた。
来年1月からは、全国の支社を会場に地域の人が血液検査などを受けられる「セルフ健康チェック」も始める。看護師らの立ち会いの下、来場者自身が採血し、その場で検査結果を教えてもらえる。病院を受診すべきかなどの助言も受けられる。全国で年約200回の開催を目指すという。
超高齢化社会の到来を受け、生保業界では、健康な人を優遇する「健康増進型」の保険が増加。同社の大西忠専務執行役は「今後、健康的な顧客の囲い込みが加速する可能性がある」と指摘する。その背景について、大西氏は「顧客の健康維持や改善だけでなく、社会保障費の抑制に貢献し、自社の収益力をも向上させられる『三方よし』のビジネスモデル構築を目指すため」と語る。
手厚いがん検診
一方で、がん検診の受診率は、さほど向上していないのが実情だ。厚生労働省の「国民生活基礎調査」(平成28年)によると、男性では胃がん、肺がん、大腸がんで4、5割程度。女性では、乳がんや子宮頸(けい)がんを含めた5つの受診率が3、4割台にとどまる。
こうした状況もあり、第一生命保険はがん検診に注力する。同社はがん研有明病院健診センターと提携し、保険加入者限定の独自の検診コースを開設。通常検診と同価格でより手厚い内容の検査を受けられる。
第一生命生涯設計教育部の三谷順太郎さんは「全国の自治体と連携し、がん検診の受診をすすめている。サービスの紹介を通じて、検診の実施や関心を高めていきたい」と語る。
日本生命保険も加入者向けに人間ドックやがん検診の費用を最大30%割引にするサービスを設けている。
セカンドオピニオン
病気になったとき、セカンドオピニオンを得る場合に役立つサービスもある。住友生命保険は一部の保険加入者を対象に、「スミセイ・セカンドオピニオン・サービス」を行っている。各専門分野を代表する医科大の教授級の「名医」からセカンドオピニオンを受けられ、より専門性の高い医師の紹介や医療機関への紹介につなげられる。
日本生命も一部の保険加入者を対象に、予約の取りにくい医師を紹介する「ベストドクターズ・サービス」を展開している。
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介護相談の電話窓口も
生命保険各社の多くは保険加入者が手軽に健康に関して相談できる電話窓口を開設している。保険の種類に応じて、窓口が分けられているのが特徴だ。
例えば、朝日生命保険は介護保険の加入者向けに「介護・健康相談サービス」を設けている。介護にとどまらず、健康面での不安などについて保健師や看護師らへの相談が可能だ。場合によっては、医師と専門相談員との3者通話で相談できる。
また、同社では、女性向け保険の加入者向けに「女性のための健康相談サービス」と別の窓口を設け、婦人科や皮膚科などについては、女性医師が対応できるようにしている。
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