【最強の話し方】その話し方はアウト! 相手を“落とす”「東大式」タイプ別診断

 
※写真はイメージです(Getty Images)

 気持ちがうまく伝わらない。相手が思うように動いてくれない。皆さんも、そんな経験はありませんか? この連載ではコミュニケーション研究家でアップウェブ代表取締役の藤田尚弓が、ビジネスマンの「最強の話し方」をご紹介していきます。

 第15回は、「相手タイプ別の話し方」がテーマです。

タイプ別アプローチで自分がラクになる

 皆さんは人と話すときにどのような話し方をしているでしょうか。部下、上司、取引先など、自分との関係性によって話し方は自然に変わっていると思います。しかし相手の特性に合わせた話し方ができている人は多くありません。伝え方のバリエーションを増やし、タイプ別のアプローチを選べるようになると、人に動いてもらうことがラクになります。タイプ別の話し方の基本を確認しておきましょう。

基本的な5つのタイプ

 タイプ分けの勘所を掴むファーストステップとしては、性格検査などで知られている「性格特性」を参考にするのがよいと思います。今回はTEGⅡと呼ばれる性格検査(東京大学医学部心療内科TEG研究会が開発)の5要素を例に解説します。

 皆さんの周りにいる人で誰がどのタイプにあてはまるか、考えながら読み進めてみてください。

 1.正義感が強く厳しいタイプ

 【特徴】責任感がある、批判的、理想が高い親分肌

 このタイプには情に訴えかけるような話し方をしても響きません。懐に入ってしまえば良くしてくれるものの、フレンドリーな話し方には注意が必要です。

 2.共感力が高く優しいタイプ

 【特徴】情に厚い、周りに合わせる、面倒見のよいサポート気質

 このタイプには利益や効率を訴えかけてもなかなか効果がでません。「いや、そんなこともないぞ」と思う人は、うまくいった理由を勘違いしているだけで、人間関係が話をまとめてくれたのかもし知れません。

 3.きちんと決めたい論理的なタイプ

 【特徴】合理的、根拠を求める、データ好き

 このタイプの人に論理的でない話し方をしてしまうとアウトです。「かなり」「少し」といった抽象的な言い方、事実・感想・推測などを分けない話し方も嫌われます。

 4.感情優先の自由奔放タイプ

 【特徴】無邪気、楽しいことが好き、自分ルールで判断

 このタイプの人には「面倒くさいな」と思われると決まる話も決まらなくなってしまいます。機嫌がいいときを狙うのもことも大切な相手。興味を持ってもらえる切り口を探してからでないと、うまくいきにくいでしょう。

 5.指示を重視する優等生タイプ

 【特徴】上司に従う、評価を気にする、意見に流されやすい

 このタイプは指示を遂行することが得意ですが、自分で責任ある判断をすることは苦手です。ゼロから考えを言ってもらう求めるようなアプローチをしてしまうと話が進みにくくなります。

 どれか1つにピッタリあてはまるというよりは、複数の特性を持ち合わせている中で、どれが強いかを判断するのがポイントです。

 自分の身近な人の顔を思い浮かべて「あの人はどちらかというと3が強いタイプかな」という具合にカテゴライズできればOKです。

 では相手タイプ別に、どう伝え方を変えればいいのか。提案のシーンを例にして見ていきましょう。

相手タイプ別! 提案する際に効果的なフレーズとは

 同じ提案でも、相手タイプに合わせた伝え方をすると採択率がアップします。

 1.正義感が強く厳しいタイプに提案するなら…

 このタイプは正義感が強く、高い理想を持っていることが多いと言われています。そんな人には大義を絡めた提案がお勧めです。

 【例】「会社の理念という意味ではもちろん、日本の未来のためにも、今回はA案でいくべきだと思います」

 2.共感力が高く優しいタイプに提案するなら…

 このタイプは優しく、面倒見のいい人が多いと言われています。人間関係を大事にする人なので、関係構築はマストです。周りの人が良くなるといった訴求ポイントも効果的でしょう。

 【例】「A案なら、〇〇さんも××さんも、みんなが助かると思います」

 3.きちんと決めたい論理的なタイプに提案するなら…

 このタイプの人は、客観的な判断、合理的な判断を好むと言われています。数字を使うことを意識しましょう。データなどの判断材料を揃え、答えを自分で出してもらうようなアプローチが良いでしょう。

 【例】「想定される増加率は、A案25%、B案20%、C案15%です。リスクが少ない順だとA→C→Bになります。詳細はこちらの資料にまとめておきました」

 4.感情優先の自由奔放タイプなら…

 このタイプは、明るく活発で、感情をストレートに出すタイプだと言われています。「面白そう」と思ってもらえる切り口を探しましょう。人として気に入られること、言い出すタイミングも意識すると良いでしょう。

 【例】「A案は起用するタレントさんも旬ですから、楽しくなりそうですよね」

 5.指示を重視する優等生タイプなら…

 このタイプは受け身で、上司の評価を気にしやすいと言われています。安心して選んでもらえるような提案の仕方がポイントと言えるでしょう。

 【例】「昨年も一昨年もA案で社長のOKが出ています」

 相手の苦手な話し方を避け、できるだけフィットした話し方を意識する。伝え方のバリエーションを増やし、選べるようにしておく。これを意識するだけで、今までより人に動いてもらうことが楽になるはずです。ぜひ試してみてください。

【プロフィール】藤田尚弓(ふじた・なおみ)

コミュニケーション研究家
株式会社アップウェブ代表取締役

企業のマニュアルやトレーニングプログラムの開発、テレビでの解説、コラム執筆など、コミュニケーション研究をベースにし幅広く活動。著書は「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」(ダイヤモンド社)他多数。

最強のコミュニケーション術】は、コミュニケーション研究家の藤田尚弓さんが、様々なコミュニケーションの場面をテーマに、ビジネスシーンですぐに役立つ行動パターンや言い回しを心理学の理論も参考にしながらご紹介する連載コラムです。更新は原則毎月第1火曜日。アーカイブはこちら