女性社員と一緒にライフプランとキャリアを考える 出産・育児と仕事を両立させるカギ
こんにちは。株式会社スマートメディアCEOの成井五久実です。連載第2回のテーマは、「妊娠・出産…女性社員のライフプランとキャリアを一緒に考える」です。
働く女性の多くは、自分のキャリアの中でいつ、結婚・妊娠・出産すべきかを考えています。出産後はしばらくフルタイムで働くことは難しくなるわけですから、女性にとってはとても大きな問題です。
◆女性はキャリアを逆算して考える
私自身も20代の頃から、35歳までには結婚して子供を産みたいと考えていました。
でも、女性のキャリアを支援する立場になるためには、20代で圧倒的な結果を残し、多くの女性から憧れられるようなキャリアを築いておく必要がある。
そう考えた私は「30歳までに起業しよう」と目標を定め、そこに向かって自分のキャリアを設計してきました。
28歳という年齢で起業するという夢を叶えられたのも、このキャリアの逆算があったからこそです。詳しい経緯や夢を叶えるまでに私が実践したことは、自著『ダメOLの私が起業して1年で3億円手に入れた方法』(講談社)にまとめたので、ご興味がある方はこちらをお読みいただけたら嬉しいです。
そう、女性は男性以上に、自分のライフプラン設計に照らし合わせてキャリアを考えなくてはならないのです。
しかし、そこには大きな不安もあります。
妊娠したら、出世コースから外れてしまうのではないか。一度産休を取ったら、同じ部署には復帰できないのではないか。2人目を産みたいけれど、産休が明けてまたすぐに産休に入ったら職場に迷惑をかけるのではないか…。
私の周りでも、好きな仕事でキャリアを築きたいけれど、出産を機にあきらめざるを得ない、あるいは逆に、キャリアを優先して妊娠に踏み切れない、という女性が少なくありません。仕事に情熱的な女性ほど、自分や周りに変化が起こることが「怖い」のです。
◆定期的に面談して信頼関係を築こう
期待していた女性部下が突然、産休に入ってしまった。進行中のプロジェクトに欠員が出るが、彼女の復帰を待つべきか、新しいメンバーを入れるべきか、迷ってしまう。
男性であるビジネスマンの皆さんからすると、こうした悩みは切実だと思います。
私自身も経営者なので、よくわかります。出産自体は、当人はもちろんのこと周囲の同僚にとってもとても喜ばしいことなのですが、信頼できる女性社員が急に産休に入ってしまうと、人員配置に悩んでしまいますよね。
どうすれば、このような問題を解決できるでしょうか?
私がオススメするのは、「女性社員のキャリアとライフプランの設計を一緒に考える」ことです。
上司として、女性部下がどんなキャリアを築いていきたいと思っているのか、何歳くらいで出産したいと考えているのか(あるいは予定がないのか)、仕事と子育てを両立するうえでどんな不安があるのか…といった相談に乗ってみる。
定期的に面談をして信頼関係を築きながら、会社と女性社員、双方にとってベストな働き方を一緒に考える、ということです。もし自分でその話題を切り出すことが難しい場合は、管理職の女性社員に依頼するのも手だと思います。
この方法がオススメな理由は2つあります。
1つは、各業務における人員配置プランを事前に考えられること。
もう1つは、自分の部下に対する期待値のコントロールができることです。
あと3年は今の働き方をしてくれるだろうと思って長期プロジェクトにアサインした女性社員が、1年後に急に産休に入ってしまうと、メンバーの補充や業務の調整に予想以上の工数がかかったり、心労が増えたり、ということがあります。
でも、事前になんとなくでも予定がわかっていれば、余裕を持ってベストな調整をすることができますよね。
もちろん、女性社員全員の希望をすべて叶えることは、会社として約束できないこともありますが、働き方のプランや悩みを知っておくことは、マネジメントをする側の精神衛生上、とてもいいと思います。
解決ではなく「共有」と捉え、女性はいろいろな不安を抱えながら働いていることを理解したうえで、ぜひキャリアの相談に乗ってみていただければと思います。
ただし、妊娠・出産はデリケートな話題でもあるので、聞き方には注意が必要です。まずは信頼関係を築くことを何よりも大事にしてくださいね!
◆出産を機にパフォーマンスが向上する女性もいる
産休中の過ごし方や、出産後の働き方はケースバイケースです。
2年間ゆっくり産休を取り、子育てに専念したいという女性もいれば、産後すぐにでも職場復帰して仕事をしたい、という女性もいます。
先日、私の会社の女性社員が産休に入ったのですが、彼女は産休中も仕事をしたいという希望を持っていました。
最近は(パソコンやスマホを使って)リモートでできる仕事もあるので、お母さんになってもビジネスパーソンであることを忘れたくないという彼女の意志を尊重し、在宅ワークをしてもらうことになりました。
普段からきちんとコミュニケーションを取っていれば、このような対応を一緒に考えることができます。
また、産休中に英語の勉強を始めた、という知り合いの女性もいます。
産休期間を、フルタイムで仕事をしている時には難しい「自分のスキルアップの時間」と捉えているのです。
キャリア志向の女性は特に、このような傾向があるのではないかと思います。
産休を活かしてスキルアップし、仕事に復帰する。すると、仕事のパフォーマンスが向上します。産休を取ったことで、より高いパフォーマンスを発揮できる女性もいるのです。
一口に「産休に入る」と言っても、働き方の希望は女性によってさまざまです。だから、ビジネスマンの皆さんにもぜひ、産休をもっとポジティブに捉えていただければと思います。
女性社員一人ひとりに希望を聞いてみると、思わぬ答えが返ってくるかもしれません。
女性が自分の希望に合わせた形で産休を取りやすい環境、みんながそれをサポートできる環境を作ることは、社員全員が働きやすい環境を作ることにつながると思います。
そして、それがひいては、少子高齢化に悩む日本社会の解決の糸口につながるのではないでしょうか。
【プロフィール】成井五久実(なるい・いくみ)
起業家。1987年福島県生まれ。東京女子大学卒。著書「ダメOLの私が起業して1年で3億円手に入れた方法」(通称:ダメ億/講談社)が販売開始から3カ月で重版となる。新卒で ディー・エヌ・エー(DeNA)に入社し、デジタル広告営業を経験。その後、トレンダーズ株式会社に転職、100社以上のPR・女性マーケティングを担当する。2016年、28歳で株式会社JIONを設立。情報サイト運営を通し、立ち上げからわずか5カ月で黒字化を達成。会社設立から1年後の2017年、3億円で事業売却。現在は、株式会社ベクトル傘下のメディア運営会社スマートメディアの社長を務め、「クレイジー」「OPENERS」「JION」など10のWEBメディアを運営している。その傍ら、女性起業家を支援する活動にも従事。
【女性起業家のOLトリセツ】は成井五久実さんが職場の女性との上手な接し方を教える連載コラムです。更新は原則第3水曜日。
関連記事