京都観光、うれしい悲鳴 冬限定企画や春節で訪日客増加、閑散期なし
京都観光の閑散期とされてきた冬に異変が起きている。訪日外国人を中心に観光客が増え、繁忙期である春や秋との差が縮まっているのだ。旧正月(春節)の大型連休に来日する中国人が増えたほか、冬季限定のイベントの効果が出ているとみられる。繁忙期と閑散期の差が縮まることで、観光産業の雇用の安定が期待され、京都市は修学旅行を冬に誘致するなどの取り組みも始めている。
格差が半減
市の調査によると平成15年は、月別の観光客が最も多かった11月(666万人)と最も少なかった2月(186万人)とでは約3.6倍の格差があった。これに対し29年は、最多の3月は543万人、最少の9月が373万人と格差は約1.5倍まで狭まった。
京都市観光協会が市内のホテル37カ所を対象にした調査でも、30年1月の客室稼働率は73.4%と、27年の68.6%から上昇。外国人の利用割合は32.8%と27年から9.6ポイント上がった。
繁忙期の4月や11月の稼働率はすでに飽和状態で、前年までと比べて低下か横ばいなのに対し、冬の観光客数は右肩上がりだ。
主な要因として、1月下旬から2月上旬にかけての春節の時期に訪れる中国や台湾などの中華系観光客の増加が挙げられる。同協会は「中華圏の人口や経済規模はまだ成長しており、冬の観光客は今後も増えるだろう」と予測する。
雇用安定も期待
一方、春は桜、秋は紅葉という見どころがあるが、冬は観光資源が少ないことが長年京都観光の課題の一つとされてきた。そこで市などは冬限定の催しとして非公開文化財を特別公開するキャンペーンや、観光名所・嵐山の竹林や渡月橋のライトアップを実施し、効果も出ているという。
閑散期と繁忙期の観光客数の差が縮まれば、ピーク時に合わせて受け入れ能力を設定している宿泊施設や交通機関などの無駄の軽減につながる。また季節による収益の変動が少なくなり、雇用も安定する。
市は春や秋に多い修学旅行を、冬に来てもらうよう勧める対策を強化。職員や観光関係者が全国の学校を訪問し、人気の観光地が混雑していないことや、旅館の予約が取りやすいなどの利点を挙げ、1~3月の実施を呼びかけている。
市の担当者は「学校行事との兼ね合いで時期をずらすことはなかなか難しいようだが、ぜひ冬の京都を訪れてほしい」と話している。(南里咲)
関連記事