SankeiBizの読者のみなさんにだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第47回は中東系航空会社の日本人CAとして乗務2年目の高取美樹がお送りします。
今年のゴールデンウィーク(GW)は、うまくいけば10連休を取れるかも…という方もいるのではないでしょうか。普段あまり取れない長期の休み、ぜひ足を伸ばして海外旅行へ行かれるのはいかがでしょうか。
今回は、私が実際に旅行やフライトで訪れた国々から3つの街を厳選し、ガイドブックには載っていないような楽しみ方をご紹介します。
モットーは「暮らすように旅する」
さて、私が旅行をする時にいつも心に留めていることがあります。それは“Be a traveler, not a tourist”です。観光客(tourist)と旅人(traveler)、旅することにおいては同じ意味にもみえますが大きな違いがあると思います。もちろん観光名所をまわることもひとつの楽しみです。その旅程にローカルな体験をひとつ加えてみてはいかがでしょうか? そこで私が目指すのは、未知なる体験や行き当たりばったりを楽しめる「トラベラーガイド(Traveler Guide)」です。
コペンハーゲン 現地の人と同じ目線で幸せのヒント探し
まず1つ目はデンマークの首都コペンハーゲン。北欧デザイン、高福祉国家、幸福度世界一。人口約600万人のデンマークはさまざまな側面を持ち、他のヨーロッパの国々とは少し違った景色を見ることができる国です。
デンマーク人の母国語はデンマーク語で言葉が通じるのか不安に思う方もいると思いますが、行ってみるとみんな英語がペラペラです。お店の店員さんも道行く人も何かに困っていれば助けてくれるとても優しい国民性です。
そんなコペンハーゲンでできるローカルな体験は、自転車で市内をまわることです。公共交通機関も整備されているのですが、運動のため、エコのため、通勤費の節約など、国をあげての徹底した政策があります。実際に私が真冬の1月に訪れた時も気温が氷点下に近いなか、外を見ると、朝まだ暗いうちから自転車に乗って出勤する人が大勢いました。
そんな自転車に乗ってカラフルな家が集まるニューハウンを出発し、かわいい北欧雑貨やお洒落なカフェ、レストランが並ぶ市内へ。自転車で街をまわると、角を曲がるたびに絵になる風景が目にとび込み、そこにいるだけで刺激を受け自然と笑顔になれます。
現地の人と同じように自転車に乗ってコペンハーゲンの街になじんでみてはいかがでしょうか?
チンクエテッレ 断崖に寄り添う村々を海上から眺める
2つ目はイタリアのチンクエテッレ。「チンクエ・テッレ」とはイタリア語で「5つの土地」を意味し、5つの村々の総称となっています。斜塔で有名なピサからは電車で約1時間。村々は20キロほどの険しい海岸線沿いに点在し、小さな村で200人、大きな村でも1400人ほどでこぢんまりとしています。
チンクエテッレの風景を写真で見たことのある方もいるのではないでしょうか? どこを切り取っても絵葉書のように綺麗な景色、イタリアの大都市に比べると知名度はまだ低いですが、私は「人生で一度は絶対に行くべき」と声を大にして言いたいほどこの村々の虜になりました。青く透き通った地中海、その一方を見れば緑豊かな山。そして美味しいイタリア料理、陽気なイタリア人、歩くたびに匂う木になったレモンの香り。言葉では表せない何かが訪れる人すべてを幸せにしている、そんな場所です。
チンクエテッレでできるローカルな体験はトレッキング、カヤック、そして海に沈む夕日を見ながらのディナーです。
トレッキングにちょうど良いのは、チンクエテッレの東の端リオマジョーレから隣のマナローラまで約1キロを繋ぐ遊歩道です。その道は、かつて船でしかアクセスできなかった村と村を結び、若い恋人同士が会えるようになったことから「Via dell'Amore(愛の小道)」と呼ばれています。眼下にぶどう畑と岸壁に当たって砕ける波を見ながら歩くこの道はまさに絶景づくしです。
村全体を見渡したい方にはカヤックがおすすめです。船も透き通って見えるほど透明度が高い海、暑い夏にはトレッキングの後この海に飛び込む人を多く見ました。
そして夜になると、村の人はみんなバルコニーや庭で海に沈む夕日を見ながら美味しいピザやプロシュートをつまみにワインで乾杯。これがイタリア流の贅沢ですね。
街の人、すれ違う現地の人と目があったら「Ciao(チャオ)!」と挨拶することも忘れないで下さいね! 相手はきっととびきりの笑顔で「Ciao」と返してくれます。
シドニー 都会の中の自然でパワーチャージ
3つ目は、日本からもアクセスしやすいオーストラリアのシドニー。1年を通して観光客が多く自然と都市がうまく融合した街です。そんなシドニーでローカル気分を味わえる体験といえばマーケットで買ったフレッシュな果物やスーパーで買った食べ物を持ってビーチ、公園でゆっくり時間を過ごすことです。予定をたくさん詰め込んで少し疲れた日には最適です。
ボンダイビーチやマンリーなどビーチ沿いもおすすめですが、意外と知られてないマイナーな場所があります。それがシドニー天文台公園(Sydney Observatory Park)です。
ガイドブックにも書かれてない公園ですが、実はこの公園からの景色が最高なんです。この公園は小高い丘にあり、オペラハウス、ハーバーブリッジも遮るものなく見えます。シドニーの暑い日差しに疲れたら風通しの良い木陰で休みつつハーバーブリッジと海をのんびり眺めて下さい。街から少し離れてみると賑やかな雰囲気とはまた違ったシドニーの一面を見ることができますよ。
この公園にたどり着くまでに通る「サーキュラーキー駅(Circular Quay)」の前にはテイクアウトできるカフェやお店がたくさんあります。そこでサンドイッチとジュースなどを買って来ればシドニー通の仲間入りです。
コペンハーゲン、チンクエテッレ、シドニー。3つの街を厳選しご紹介してきました。ガイドブックにはあまり載っていない「トラベラーガイド」はいかがでしたか? 次の旅行プランにはぜひローカルな体験をひとつ加えて、現地の人の目線で街を見てみてください。
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【CAのここだけの話♪】はエアソルに登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。