【新元号】平成最後の熊野詣で 京都市を出発、360キロ
3週間にわたる「熊野詣で」に出発したメンバーたち=京都市伏見区
新元号、令和(れいわ)の発表に合わせ、京都から熊野本宮大社(和歌山県田辺市)まで約360キロにおよぶ熊野古道の踏破を目指すグループが京都市内を出発した。「平成最後の熊野詣で」として企画され、徒歩と船で約3週間かけ、先人が歩いた道をゆっくりとたどる。
企画したのは同県白浜町の坂本このみさん(33)。勤務先のホテルで熊野古道に関するイベントの企画などを担当する中で興味を持ち、実際に熊野古道を歩くように。今年9月には世界遺産「サンティアゴ巡礼道」(スペイン、フランス)を歩く予定だが、その前に「どうしても熊野古道を一気に歩きたい」と、退職してイベントを計画した。
「各地に点在している熊野古道に関する魅力的な場所をつなげたい」と、今回は平安時代の熊野詣でのルート「紀伊路(きいじ)」と「中辺路(なかへじ)」を再現。城南宮(京都市伏見区)を出発地に熊野本宮大社まで京都、大阪、和歌山3府県にまたがる約360キロを歩く。徒歩での移動が難しい区間はカヤックや船を利用し、宿泊しながら3週間かけて踏破を目指す。
参加メンバーは地元の語り部や元教諭など個性豊か。1日、7人が城南宮近くの河川敷からカヤックに乗り込み、船に乗り換える大阪府枚方市に向けてこぎ出した。ルートの途中から参加する人もいるという。
勤務先の高校を退職して全行程に参加する山田良憲さん(37)は「楽しみにしていたので頑張って歩き通したい」と笑顔を見せた。坂本さんも「熊野という地は再生と蘇りの地。時代が変わっていく瞬間を見ながら、新しい元号とともに新たなスタートを切れたら」と期待を込めた。
関連記事