【5時から作家塾】続々登場、子ども向けの便利な定額制サービス
いま定額制サービス(サブスクリプション)が増えている。通信を始め、映像、音楽、書籍、飲食、洋服、自動車など、様々なジャンルに拡大している。
最近伸びているのが、絵本や子ども服といった「子ども向けの定額制サービス」である。成長するに連れて次々と買い替えていく子ども用品は、サブスクリプションとの相性が良い。
中でも注目を集めているのが、おもちゃの定額制サービスである。2015年に始まった「トイサブ!」はそのひとつ。現在1200人のユーザーがおり、増え続けている状態だ。
このトイサブ!、0歳から3歳児を対象にしており、年齢に応じたおもちゃをレンタルで使用することができる。およそ1400種類のおもちゃを揃えており、貸出し期間は、45日、隔月、半年の3コース。特に返却期限は設けていない。もし気に入ったら割安価格で購入することも可能だ。
0歳から1歳児には、握る、叩く、倒す、押すなど単一行動によって学習したり体の動かし方を学べるもの。パペット、ソフト積み木、ドラム、シロフォンなどがある。
1歳から2歳は、積む、挿す、開ける、投げるなど行動に伴う因果がわかりやすいものや、指先・手足の動かし方を学習できるもの。立体パズルや小型三輪車、鍵開けボックスなどがある。
2歳以上になると、数字や文字、アルファベットの学習を通して、展開を考えたり、規則性を見出すといった、考えて行動する玩具が中心になっている。記憶学習の基礎理論を作るなど、幼稚園の入試対策としても役立つものが揃っている。
こういったおもちゃを、ただ貸し出すのではなく、トイサブ!では日本知育玩具協会の認定「ベビートイ・インストラクター」の資格を持つ専門スタッフが、ユーザーに応じて選んでいる。4人のインストラクターは、全員が子育ての経験者。年齢・月齢に応じてどんなおもちゃが適切かを熟知している。その上で子どもがケガをしないよう衛生面、安全性に配慮して選択。すべて個別プランになっている。
レンタル期間が終われば返送するが、その際、ユーザーはアンケートに答える。おもちゃの感想や、どう遊んだかを伝えることにより、インストラクターが次回のおもちゃ選定の参考にする。こうやってデータを蓄積して、より適切なおもちゃを提供できるようになるという。
「少しでも親子で楽しい時間を共有してほしい」
このサービスを立ち上げたのは、株式会社トラーナの代表取締役である志田典道さん。自身も4人のお子さんを育てているお父さんである。
「お子さんが成長するにつれて、遊ぶおもちゃは変わっていきます。特に成長が著しい0歳から3歳児は、興味の対象がどんどん変わっていく。せっかく買ったおもちゃも、時期を過ぎれば使わなくなります。そうなると押し入れの中に入れっぱなし。収納スペースが少ないご家庭では処分することもあります。レンタルにすれば、そういった問題も解決できるのでは?と考え、このサービスを立ち上げました」(志田さん)
ユーザーからは「成長に合わせたおもちゃが届くのがうれしい」「物が溜まらないのでスッキリする」「狭い住宅に住んでいるので、レンタルは助かる」といった声が届いている。
「様々なジャンルのおもちゃを揃えていますが、親御さんと一緒に遊べるおもちゃもお送りしています。例えば、パペットなどは親御さんがぬいぐるみに手を入れて、お子さんとやり取りしなければ成立しません。少しでも親子で楽しい時間を共有してほしいと強い思いから、こうしたおもちゃをあえてお送りしているのです」(志田さん)
実はこの事業には、社会問題を解決しようという思いが込められている。
「あまり知られていませんが、年間に廃棄されるおもちゃの量は、6000トンにもなります。凄まじい数字です。日本は世界でもトップクラスのゴミ排出国です。こういった現状を変えていくためにも、“物を捨てない文化”を子どもたちに伝えていきたい。『このおもちゃは次のお友達のところへ行くんだよ』と教えることで、使えるものはみんなで共有していく。そんな文化ができることを期待しています」(志田さん)
学習効果の高いおもちゃを「トイサブ!プラス」
トイサブ!では昨年新たに「トイサブ!プラス」というサービスを始めた。4歳から8歳の子どもを対象に、より学習効果の高いおもちゃを貸し出すサービスである。
「トイサブ!を運営する中で、ユーザーさんから『3歳になったら辞めないといけないの?』という声を多くいただきました。もっと年齢の高いお子さんのニーズもあると気づいて始めた事業です」(志田さん)
トイサブ!プラスで貸し出すのは、海外で人気のあるSTEM玩具。STEMとは、(Science:科学)(Technology:技術)(Engineering:工学)(Mathematics:数学)の頭文字をとった言葉で、理工系のおもちゃを言う。そこに英語の要素を加えて、海外製の上質な知育玩具を揃えている。
「日本の玩具メーカーは、いわゆるキャラクター玩具が中心で、欧米のような知育玩具は充実していません。ですので、すべて海外から取り寄せた製品です。日本では小学校1、2年で理科が廃止されるなど、理数離れが問題になっています。そのため海外と比べて理科嫌いの生徒が多いんです。早い時期から知育玩具によって算数や理科、英語の世界にふれることで、好きになってもらえればと思っています」(志田さん)
おもちゃをシェアすることで廃棄量を減らし、物を大切にする文化を再構築しようとしているトイサブ!。これからの動きに注目したい。(吉田由紀子/5時から作家塾(R))
《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。
関連記事