【デキる男は住まいから】目から鱗? 厄介な押し入れの正しい片づけ方、ポイントは「前後収納」

 

 2回に分けてお伝えする「和室&押し入れ」の片付け方の後編です。前回の記事では、

和室をどんな用途で使うか

押し入れに何を収納するか

押し入れのスペースをどうやって空けるか

 について言及しました。

 ここまでは家族会議で議論すること。次からはいよいよ片づけ作業に入っていきます。

 全部出して「前後収納」の骨組みを作る

 まずは押し入れの中に入っている荷物を全て出します。ここは家族でバケツリレーの要領で進めるのがよいでしょう。

 全て出し終えたら収納の骨組みを作ります。

 押し入れ収納の鉄板の収納方法は「前後収納」です。

 奥にカラーボックスもしくは衣装ケースを置いて

まずは奥に衣装ケースを置く

 手前には、移動可能なコマ付きの収納を置くことで奥のモノも手前のモノも取り出しやすくするのがポイントです。

手前にコマ付きの収納を置く

骨組みが完成したら、使用頻度の低いモノを奥、よく使うモノを手前に収納していきましょう。

 中段は空間をつくる

 押し入れの中段は「ゴールデンゾーン」といって人間の腰高あたりの高さになっています。この高さはモノを取りだしたり戻したりするのに最適。

 ここには、モノを詰め込むのではなく、あえて手前を空けるように収納していきます。たとえば、奥に衣類のケースを置くのであれば、手前で衣類を立ったまま畳むことができます。

手前で衣類を立ったまま畳むことが可能に

 押し入れにオモチャを収納する

 和室を子供部屋にする場合、押し入れにオモチャを収納したいですよね。お子様がまだ小さい場合は、押し入れの下段をオモチャルームにするのも手です。

押し入れ下段にオモチャを収納

 上の子のオモチャを下の子に触らせたくない(口に入れると危ない)場合は、中段を上の子のオモチャ収納にしてもいいですね。

中段を上の子のオモチャ収納にしてもOK

 これらの収納はどちらも「オモチャが押し入れの中から出てこない」というメリットがあります。リビングがオモチャだらけになって悩んでいるご家庭にピッタリです。お子様が小学生になったら、オモチャの数が自然と減ってくるので、そのタイミングで押し入れの中段を学用品収納として使うのもオススメです。

香村家では、奥に無印良品の収納ケースとランドセル置き場を設置している

 我が家では、奥に無印良品の収納ケースとランドセル置き場を作りました。手前のスペースを利用して、時間割を合わせ、宿題も立ったまま行います。このように、宿題が少ない小学生のうちは、勉強机の代わりとしても使えますね。

 簡単DIYでレベルアップ

 このように押し入れを部屋の一部として使うのであれば、いっそのこと壁紙を貼ってみてはいかがでしょうか?

“地味”な押し入れをお部屋のような空間に!

 電灯をつける、壁に絵を飾る、クッションシートで座り心地を良くするなど工夫することで一気にお部屋のような空間に変わります。我が家では、このDIYを行ったことで子供たちが「和室と押し入れは自分たちの部屋」という認識を持つようになったのか、「夜も和室で子供達だけで寝たい」と言い出しました。今では毎日の布団の上げ下ろしも自分たちでしてくれるようになりました。

毎日の布団の上げ下ろしも子供たちが自分でやるようになった

 お父さんが少し手を加えることで、子供達の自立心が芽生え、モノが押し入れから外に出てくることも少なくなるので、お母さんのイライラが軽減すること間違いナシです。

【プロフィール】香村薫(こうむら・かおる)

片づけの専門家
ライフオーガナイザー

大学卒業後、トヨタグループ会社に入社。そこで学んだトヨタメソッドを家事に応用した「トヨタ式おうち片づけ」を提案。片づけサポート業務「ミニマライフ.com」を起業。全国での講演活動、個人宅での片づけサポートを行う。著書に「トヨタ式おうち片づけ」「トヨタ式超ラク家事」(ともに実務教育出版)「トヨタ式家事シェア」(主婦の友社)がある。NHKをはじめTVや新聞・雑誌などメディア出演多数。

【デキる男は住まいから】はライフオーガナイザーでミニマライフ.com代表の香村薫さんが、トヨタ自動車のグループ会社で学んだメソッドを家事に応用し、ビジネスパーソンが今すぐ実践できる「家事シェア」のノウハウなどを伝授するコラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら