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外国人の生活支援業が拡大 業務マニュアル動画、家賃保証など

 外国人の労働者や留学生などに対する支援サービスが広がっている。外食産業では調理手順などを動画で作成し分かりやすく工夫。外国人が賃貸住宅を契約する際に、家賃保証サービスを提供するベンチャー企業も業績を伸ばしている。

 外食チェーン「すかいらーくレストランツ」(東京)は2年前、全国約2800店で動画を使ったマニュアルを導入。食器洗浄機の使い方から食材の焼き加減、盛り付けなどが直観的に分かる。

 同社ではベトナム、中国、ネパール人など全店で約2700人の外国人が働く。「ここ数年は外国人スタッフが急増し、分かりやすいマニュアルづくりが課題だった」と担当者。各店舗にタブレット端末を配置し、社員が自分のスマートフォンで見ることができる。

 グループの「ガスト茅場町駅前店」(東京都中央区)で調理場や接客など業務全般に携わるグェン・マン・チョンさん(26)はベトナム出身。5年前に来日して専門学校に通い、昨年入社した。

 「メニューが100種類以上あって覚えるのが大変だが、動画マニュアルなら1回見れば大体分かる。出勤前の電車の中で予習できるのでとても便利」と満足げだ。

 このマニュアルは、ベンチャーの「スタディスト」(東京)が開発した「ティーチミービズ」というソフトで作成。同社は2010年に設立以来、飲食、流通、製造業など約2500社に販売した。鈴木悟史社長は「業務内容に合わせて簡単に作成でき、入社初期の離職防止に有効」と話す。

 国籍20カ国以上の社員が外国人の生活をサポートするのは東京のベンチャー「グローバルトラストネットワークス(GTN)」だ。同社では1人の社員が最低3カ国語を話せるという。

 06年に設立して以来の事業の柱が賃貸住宅の家賃保証だ。入居者から手数料を受け取り、住宅オーナーに対して保証。入居後の電気、ガス、水道の開始手続きやごみ分別などきめ細かにサポートする。外国人専門の携帯電話サービスも始めた。

 東京と大阪に店舗があり、昨年の家賃保証は約3万5000件。ここ数年、前年比5割増の勢いだという。後藤裕幸社長は「今後、外国人労働者の増加は避けられない。日本に働きに来て良かったと思われる社会にしていきたい」と話す。