ヘルスケア

「個人の体臭に応じた洗剤を」提供 ベネフィット-イオンの着目点

 暑い日が続くこの時季、特に気になる体のにおい。洗剤製造販売の「ベネフィット-イオン」(福井市)は、衣類に付着した原因物質を調べ、一人一人に合った洗剤やせっけんを提供している。依頼者の中には人付き合いが困難になるほど過剰に思い悩む人も。上原幹也社長(57)は「自分のにおいを正しく理解し、受け入れる手伝いがしたい」とメンタルケアにも心を砕く。

 「清潔や無臭が重視される日本では、特に若い人で必要以上に気にする傾向がある」と上原さん。引きこもりになるほど気に病む「自己臭恐怖症」で、皮膚科や心療内科では解決できず、同社の相談窓口にたどり着く人も多い。月40件ほどの相談は20~30代の女性が中心だが、不登校になった子供の親からの相談も増えているという。

 実際は気にするほどのにおいではない場合も多いが、上原さんは「悩んでいる人に『気のせいだ』と言っても解決にはならない。客観的な指摘と具体的な対策を示すことが改善への第一歩になる」と強調する。

 上原さんは、30年ほど繊維やクリーニング業界で働き、主にブライダル衣装の染み抜きや消臭を担当。短時間しか着ない衣装にも、薬品を使って消臭しなければならないほどのさまざまなにおいが付いていることに驚き、「個人の体臭に応じた家庭用洗剤のニーズがあるのでは」と2015年8月、起業した。

 同社の体臭検査では、外部の研究機関にある「ガスクロマトグラフ」という装置で、依頼者が24時間着用したTシャツを分析する。アンモニアや酢酸など約300種類の原因物質のうち、どんな物質が付着し、どのようなにおいを構成しているのかを判定。一人一人の結果に応じてにおいを抑える成分を配合した洗剤やせっけんを提案し、食事や運動など生活習慣からの改善も指導する。

 検査後もメールなどでコミュニケーションを続ける上原さんの元には「自信が付いて彼氏ができた」「バイトを始められた」といった報告も。「前向きに変わっていく姿を見るのが無上の喜び」と顔をほころばせる。