【デキる男は住まいから】ご家庭の災害対策できていますか? お父さん主導で今すぐ万全の備えを
8月30日から9月5日まで防災週間だったということもあり、避難訓練を行った人も多いのではないでしょうか。また、連日のように日本各地で災害が発生しています。これを機に、家の中をしっかりと見直してみませんか? 今回は防災士としても活動している私が、家の中でお父さんに取り組んでもらいたい災害に備えた対策をお伝え致します。
冷蔵庫の転倒防止対策
災害に備えた食品の備蓄は「最低3日間分」と言われていましたが、最近では1週間を想定して備蓄することが推奨されています。
我が家では、家族5人(夫婦+子供3人)の1週間分の食事量と備蓄内容を知るために、実際に電気とガスを1週間止めて過ごしてみるという被災体験を行いました。
その結果、電気が止まっても冷蔵庫の冷凍エリアは3日間冷たさを保っているということがわかりました(冬なら4日間、夏なら3日間が目安)。つまり、最初の3日間は冷蔵庫にある食品で食いつなぐことができるのです。
ただし、これは「冷蔵庫が倒れていない」状態であることが大前提。中身が入った大型の冷蔵庫は100kg近くあり、前向きに倒れると起こすことが困難です。扉が開けられないどころか、そもそも冷蔵庫の下敷きになってしまう危険性もありますよね。
今すぐにでも冷蔵庫の転倒防止対策を実施することをオススメします。
また、冷蔵庫の食材を調理するのに「カセットコンロ」が必須になります。
コンロに使うカセットガスは3本セットで販売されていることが多いのですが、我が家の被災体験では1週間で6本使いました。特に寒い時期は温かい食べ物が心を落ち着かせてくれます。ガスが無くなってくると不安が募るので、多めに準備しておくと安心ですね。
非常食を家族で食べてみる
被災4日目以降は冷蔵庫の食品が食べられないので、常温保存の食品を食べることになります。皆さんは非常食(例えば5年保存可能、お湯無しで食べられる食品)を実際に口にしたことがありますか?
これらの食品はコストが高いこともあり、取り急ぎ「家族の人数×3日分」を備蓄しているものの試食はしたことがない、という方がいらっしゃいます。
そんな非常食、ぜひ家族そろって1つ食べてみてください。
下記3つのポイントを家族間で共有するのが狙いです。
家族全員が食べられる味であること
子供が蓋の開け方、食べ方を知ること
どこに収納してあるかをみんなが知っておくこと
家族が食べ慣れている味に近い食品を備蓄しておきたいですね。
灯りを準備しておく
非常時に備えて懐中電灯を用意しているお家は多いと思います。一人暮らしならまだしも、家族がいるご家庭だと、誰かが移動するたびに持ち出すことになるので、その間は部屋が真っ暗になってしまいます。
暗闇は恐怖心をあおりますし、そもそも懐中電灯のような光は目が疲れやすいもの。空間全体を照らす「ランタン」のような優しい光をご用意されるとよいでしょう。
そこでオススメなのがソーラーランタンです。充電の必要が無く、防水仕様なので昼間に庭先に置いておけば、夜は室内で8時間点灯します。これを災害時だけでなく日々の常夜灯に使うのがポイントです。
乳児がいるご家庭なら深夜の授乳時に覚醒してしまうことを防げますし、私の母は深夜のトイレにはランタンを持ち歩いて移動しています。
毎日使えば毎日充電することが習慣になるので、いざというときもストレスなく使うことができますね。
災害が起こると平常心ではいられないもの。普段から食べ慣れている食品、使い慣れているものを使えると、とても安心します。自宅が安全で安心できるよう、今すぐにできることから始めてみましょう。
【プロフィール】香村薫(こうむら・かおる)
ライフオーガナイザー
大学卒業後、トヨタグループ会社に入社。そこで学んだトヨタメソッドを家事に応用した「トヨタ式おうち片づけ」を提案。片づけサポート業務「ミニマライフ.com」を起業。全国での講演活動、個人宅での片づけサポートを行う。著書に「トヨタ式おうち片づけ」「トヨタ式超ラク家事」(ともに実務教育出版)「トヨタ式家事シェア」(主婦の友社)がある。NHKをはじめTVや新聞・雑誌などメディア出演多数。
【デキる男は住まいから】はライフオーガナイザーでミニマライフ.com代表の香村薫さんが、トヨタ自動車のグループ会社で学んだメソッドを家事に応用し、ビジネスパーソンが今すぐ実践できる「家事シェア」のノウハウなどを伝授するコラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら
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