小判、金杯…袖の下か 関電役員受領の金製品、業界は「イメージ悪化心配」

 
関西電力高浜原発3号機(左)と4号機=福井県高浜町(本社ヘリから) 

 関西電力役員らの金品受領問題で、八木誠会長らは福井県高浜町の元助役(故人)から金貨や金杯、小判形金貨など計約5567万円分の金製品を受け取っていた。時代劇の悪代官に贈る袖の下さながらに、菓子折りの下から金貨が出てくるケースも。金製品を扱う企業からは、イメージ悪化を懸念する声が上がっている。(山本考志)

 「高価なものが入っているかもしれないと聞いて、秘書に確認させたところ、お菓子の下から金貨が出てきた」。関西電力の岩根茂樹社長は2日の記者会見で、平成29年3月に元助役から金貨10枚を贈られたいきさつをこう語った。

 金品を受け取った20人のうち金製品が含まれたのは6人。30年1月に金沢国税局の税務調査が始まるまで、ほとんど元助役に返却せず個人で保管していた。

 大手の田中貴金属が公表する金の税込み小売価格は7日時点で1グラム当たり5732円。500グラムの金地金(きんじがね)(金塊)は縦約9センチ、横約4センチ、厚さ1センチ弱にすぎないが、価格は300万円近い。金価格はここ20年でおよそ5倍に上昇。「有事の金」と言われるほど安定した資産として人気がある。

 一方、不正蓄財の手段として悪用される例も少なくない。平成5年に自民党の金丸信副総裁(当時)が脱税容疑で逮捕された際には、自宅などから1億円相当の金地金が見つかった。

 ただ、金工芸品の購入目的は主に鑑賞用で、親しい人への贈り物としても人気が高いという。

 東京都内の金製品製造・販売会社は、金工芸の伝統技術を身に付けた作家が加工する美術品や工芸品を扱っている。販売する金貨や小判形金貨は、価値を証明するため、造幣局で貴金属製品の品位試験を受けて純度を刻印するものもある。金地金も、家族の名前や座右の銘などを刻印して贈答品にできるという。

 同社の担当者は「ただでさえ手の届きにくい金製品を、美術品や工芸品として多くの人に親しんでもらおうと努力している。今回の問題で金製品に対するイメージが悪くならないか心配だ」と話している。