種が気にならない小玉スイカ 奈良・橿原のメーカー開発
スイカの種を従来の4分の1程度に小さくし、種を気にせずに食べられる小玉スイカの新品種を、奈良県橿原市の種苗メーカー「ナント種苗」が開発した。今年の春から夏にかけて熊本県などで試験的に生産したところ、見事に成功。来年からの本格出荷を目指し、同社は9日、クラウドファンディングサービスを活用したPR販売を始めた。
国内のスイカの作付面積は約30年前をピークに3~4分の1に減少。同社は、種が女性や子供の「嫌われ者」になって消費が敬遠される場面が多々ある-と分析。平成15年から、種が小さい品種の開発を続けてきた。
この間、種なしスイカが市場に出回るようになったが、こちらは単独では受粉できず、別の株を必要とすることから栽培の手間がかかり、高値となっている。
「ピノ・ガール」と名付けられた新品種は甘さ、食感ともに上々。昨年11月、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催されたイベント「野菜・果物ワールド」で、来場者747人に試食してもらったところ、94%が「種を気にせず食べられた」と回答した。
今春から熊本、群馬、茨城、山形、青森の各県で試験栽培を実施。従来の小玉スイカと同じように栽培できることが実証された。本格栽培が始まれば、従来の小玉スイカの「やや割高」の価格で流通される見込みという。
本格流通に向けて同社は9日、未完成の商品・サービスをインターネットを通じて支援することで、完成への過程を楽しむクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」にピノ・ガールを出品。2玉入り(4800~6千円)と8キロケース(9千~1万1千円)で、目標の30万円を即日クリアした。
同社営業部の中辻悠輝さん(29)は「驚くほど種の存在が分からなくなりますが、かんでしまってもジャリッという従来の感覚はなく、プチっとはじけるような新食感が楽しめます。ご家庭の食卓にスイカが並ぶ光景が今から想像できます」と自信をのぞかせている。
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