【就活リサーチ】就活費用の節約術あれこれ
当社では毎年、就職活動にかかった費用を調査しています。来春卒業予定の大学生らの就活費用の平均は約13万7000円でした。前年調査より1000円ほど増えましたが、前年は平成21年に調査を始めてから最も低い金額で、今年はそれに次ぐ低い金額でした。
とはいえ、平均14万円近い金額は学生が数カ月間に使う額としては高額です。就活中はアルバイトを制限せざるを得ない学生も多く、お金の使い方に工夫が求められます。学生は実際にどんな節約をしているのでしょうか。
まずは交通費。就活費用の最も多くを占め、今回の調査では6万2000円ほどかかっています。「自転車で行ける範囲は自転車で行くようにした」「1駅程度なら歩いた」などの声がありました。長距離の移動でも、「新幹線をなるべく使わず、長距離バスを利用した」という声も目立ちました。
近年は企業が交通費の補助をするケースも増えています。今年企業から交通費の支給を受けた学生は約8割に上りましたが、十分ではないようです。東京都内の企業を中心に活動した地方の学生からは「何往復もすると交通費が高くなるので、春休み中は都内のシェアハウスを利用した」との声も。「宿泊費や新幹線などのお金を出してくれない企業は福利厚生が悪いんだろうと思い、自分の受けようとする企業群から除外した」のように割り切る学生もいました。
リクルートスーツやかばんなど就活に必要な身支度にも費用はかかります。このリクルートスーツ代にはシャツやネクタイなども含み、平均3万6000円に上ります。「スーツは入学式のものを着まわした」という学生も。男性の場合は「ネクタイは親から借りた」というケースもありました。
「説明会前後の待ち時間に入るカフェ代がきつかった」とこぼす学生も少なくないですが、「コーヒー回数券を利用したり、ポイントをためたりした」などの工夫も寄せられました。他にも、「資料費は図書館を利用してなるべく使わなかった」「企業セミナーでもらえる文具を積極的に利用した」といった節約術も見られました。
一方、「節約のために昼食を抜いたら面接中におなかが鳴って集中できなかった」「できるだけ徒歩で移動していたため靴を一足履き潰した。新しい靴を買うときに安いものを選んだら痛くて買い直すことになった」などの失敗談も寄せられました。節約もほどほどに、ということでしょう。
「就活が長引くほど費用もかかるので、早く内定をもらえるように頑張った」という声も。就活の長期化は学業との両立が難しくなったり、精神的につらくなったりすることも多いですが、金銭面での負担も大きくなりがちです。安心して取り組むためには、就活費用をためたり、場合によっては親に援助を取り付けたりしておくことも必要といえそうです。(キャリタスリサーチ 武井房子)
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