先週の為替相場は英国のジョンソン首相が欧州連合(EU)離脱後の移行期間の延長を禁止する法案を議会に提出したことを受け、EUとの自由貿易協定(FTA)を締結できないまま離脱となる可能性が意識されたこともあり、前週に選挙の結果を受け、大きく上昇したポンドの弱さが目立ったほか、ユーロも比較的弱い推移となりました。
その他通貨に関しては、米中貿易協議について、不透明な状況が続き、材料も乏しく、また、クリスマス休暇前ということで積極的な仕掛けも少なく、方向感の乏しい状態が続いています。
今週も水曜日のクリスマス前後は欧米を中心に祝日が多いほか、年末が近づくということで市場参加者が減少し、流動性が低下します。閑散とした相場が続く中、値動きが荒くなることも想定されるため、注意が必要です。
1米ドル=109.20~109.75円付近の価格帯に注目
では、世界中に顧客を持つ外国為替証拠金取引(FX)会社のOANDA(オアンダ)が提供するオーダーブックで外国為替市場の動向を探ってみましょう。
オーダーブックはOANDAの顧客の取引状況を公開したデータです。顧客の保有しているポジションの取得価格の水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンポジション」と、顧客の未約定の注文の価格水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンオーダー」の2種類のデータから成ります。
ちなみに、ある通貨を買っている状態を「買いポジション」、売っている状態を「売りポジション」といいます。買いポジションを保有している場合、その通貨の価格が取得価格から上昇したら収益が上がり、逆に下落すると損失が発生します。売りポジションを保有している場合は、取得価格から下落すると収益が上がり、上昇すると損失が発生します。FXでは、それぞれのポジションとは反対の売買を行って決済(損益の確定)をする仕組みとなっているからです。
先週のドル円は材料が乏しい中、クリスマス前ということもあり、1米ドル=109.20-109.70円付近の狭い価格レンジ内での推移となりました。
今週もクリスマスということで閑散とした状況が続き、鈍い値動きとなる可能性が考えられる一方で、市場参加者が少なく、値が動く場合は荒い動きとなることが想定されるため、思わぬ変動となる可能性も考えられそうです。
OANDAのオープンポジションを見ると、先週の価格レンジで構築されたポジションが多く、価格がこのレンジを上下に抜けた場合は、いずれかの損切り注文(損失の拡大を防ぐための決済注文)が増え、短期的にでも方向感が出てくる可能性が考えられそうです。
よって今週は先週のレンジにまずは注目し、方向感を探っていきたいところです。
含み損を抱えた買いポジションが増加
先週のユーロドルは、序盤こそ底堅い推移となりましたが、その後は失速し、1ユーロ=1.11米ドル台を割り込む動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、先週の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが多く、反発したところでは、やれやれ売り(損益がプラスの水準まで価格が戻ってきたことによる決済の売り)が増えることのほか、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが下落を後押しすることが想定され、上値の重い状態が続く可能性に注意が必要です。
引き続き含み損を抱えた買いポジションが目立つ
先週のポンドドルは前週の上昇分以上の下押しとなり、1ポンド=1.3米ドル付近まで押し込まれる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、12月4日以降に買いポジションを保有した参加者のほとんどが含み損を抱えており、ユーロドル同様に反発した水準ではやれやれ売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが出やすいと考えられ、上値の重い状態が続く可能性に注意が必要です。
〈OANDAのオーダーブック〉
オープンポジションはここに注目
相場を動かす要因の一つは損切り注文といっても過言ではありません。
これ以上損失を増やしたくないトレーダーは保有しているポジションの反対売買を行い、損失を確定させ、市場から退出します。
例えば、価格が下落する局面では、買いポジションの保有者が苦しくなり、損切り注文(決済の売り注文)が出やすくなり、下落圧力が強まる要因となります。
損切り注文は価格の向かう方向と同じ方向へ力が加わる注文となるため、損切り注文が多くでる場面では、短期間に相場が大きく動きやすくなります。
オープンポジションを見ると、どの水準に含み損を抱えたポジションが多いかを視覚的にチェックすることができ、次にどちらに動いた方が、価格の動きが大きくなりそうか(損切り注文が多く出そうか)を予想することができます。
オープンオーダーはここに注目
前述の通り、損切り注文が増えると、一方向への力が強まるため、価格の動きが勢いづくことがあります。
オープンオーダーを見ると、どの水準にどの程度の注文(オーダー)が入っているかを視覚的に素早くチェックすることができます。
損切り注文が多く入っている水準に到達すると、価格が短期的にでも勢いづくことがあるため、注意が必要です。
世界中のトレーダーの相場分析のサマリー?
トレーダーが損切り注文を入れる水準は、通常は、チャートで相場分析を行なった上で、「この水準を超えてしまったら、相場の流れが逆方向に向かう」と考えた水準に入れます。
OANDAのオープンオーダーは、世界中のトレーダーが相場分析を行った結果のサマリーと言っても過言ではありません。
これを見れば、世界中のトレーダーがどの水準に注目し、相場の転換点となると考えたかを簡単にチェックできます。
※逆指値注文:現在の水準よりも不利な水準を指定して行う注文。通常、損切り注文はこの逆指値注文を使います。
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- 第一種 金融商品取引業 関東財務局長 (金商) 第2137号
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