デキる男は住まいから

テレワークをより快適に…「暮らしのカイゼン」で困難を乗り越える

香村薫

 外出自粛要請を受け、仕事がテレワークに切り替わっている方も多いかと思います。我が家では、3人の子供(10歳、7歳、3歳)の面倒を見ながら妻は平日5日間、夫は週に2日間、在宅勤務へと変わりました。子供たちの精神面も考慮しつつ、“暮らしのカイゼン”で快適なテレワークが実現できないか? を試行錯誤する日々が続いています。今回は、その中で効果があった3つの項目をご紹介します。

 《1》寝室を仕事部屋にカイゼンする

 まず、子供と一緒の空間で仕事をするのは難しいので、仕事用の個室を作りましょう。いつか子供部屋にしようと思っている部屋があればベストですが、我が家のように現状すでに全ての部屋が埋まっている場合は、夫婦の寝室を仕事部屋へと変えてはいかがでしょうか?

 このとき、テレビや雑誌など誘惑されそうなモノは部屋から撤去し、基本的には会社にいるときと同じような状況を作ります。

 ▼もともと寝室だった洋室 ↓↓

 ▼仕事部屋へと変更 ↓↓

 このときの机のレイアウトも試行錯誤しました。一番しっくりきたのが、上記画像の配置です。机を壁につけるのではなく、自分が壁を背もたれにし、部屋のドアの方を見る配置(社長室のイメージ)にした方が、不思議と集中できることを実感しました。急に部屋へと入ってきた子供にすばやく気づけるのも良いですね。

 また、空の収納ボックス(段ボールでもよい)を用意しておき、個々の仕事グッズは使い終わったら責任をもって収納ボックスに戻しておくようルール化しました。

 これで、夫婦のどちらかが部屋を使うときに、気持ちよく仕事に取り掛かれます。

 《2》オンライン会議用に車の中をカイゼン

 室内の仕事部屋も快適なのですが、子供達も在宅しているので、どうしても遊ぶ声や走り回る足音が気になってオンライン会議に集中できないことがあります。そのたびに「静かにして!」と子供に怒っている自分がカメラに映っているのも、なんとも切ないですよね。そこで、いっそのこと車の中をオンライン会議用の部屋にしてはいかがでしょうか? といってもやることは簡単。

 ▼助手席を目一杯前へ倒し、後部座席との間にスペースを確保します ↓↓

 ▼そこに一人用の折り畳み式テーブルを用意 ↓↓

 ▼上にPCを乗せれば、簡易型のオンライン会議部屋が完成します(我が家は少し低かったので収納ボックスを使って微調整しました) ↓↓

 外出自粛なので家族総出で出かけることもなく、基本パソコン以外は置きっぱなしですが、もしも複数が乗車することがあっても折り畳み式テーブルであればサッと畳めてラクですね。キャンプ用のテーブルが無いご家庭は頑丈な段ボールでも可能です。ちなみに、夫婦のテレワークが重なった本日は…

9:00-10:00 夫がオンライン会議

10:00-13:00 妻がオンライン会議

15:30-18:00 夫がオンライン会議

 というように時間帯が重ならないようにスケジューリングして使いました。

 《3》家庭内のルールをカイゼン

 慣れないうちはどうしてもテレワークがストレスになりがちです。そこで、我が家で効果があった下記4つを家庭のルールに加えてはいかがでしょうか。

 (1)家でも仕事着を着用する

 お父さんお母さんは休みではなく“家で仕事をする日”なのだということを家族にわかってもらうには衣類を変えるのがとても効果的です。

 (2)仕事中の声がけはLINEかチャット

 家にいるのだからといって、「おーい」と妻を呼んでいては、妻の仕事が進みません。職場でいるときと同じように、声をかけるときは「ちょっと今大丈夫?」と確認することはもちろん、出来ることならLINEやチャットを使ってコミュニケーションをとることで、相手の仕事の手をとめないように気を付けることが大切です。

 (3)昼食は各自で

 テレワークになって妻が一番困っていることが昼食という家事が増えることです。そこで、「昼食は各自で好きな時に好きなモノを」とするか、「遅めの朝食と早めの夕食」というように1日2食+おにぎりやバナナ、とするなど工夫してみてはいかがでしょうか?

 (4)時間の使い方を変える

 どうしても家の中で集中して数時間確保したい、というときもあります。そこで、夫と妻で起床と就寝時間をずらしてみてはいかがでしょうか? 我が家だと、20:00に子供が就寝(ここで夫も就寝)してから、妻が夜中まで仕事。朝は子供と夫が5:00起床。遅く起きた妻が日中の子守を担当し、その間夫は仕事に集中、といった具合です。

 職種によって難しいかもしれませんが、うまく時間を割り振って、子供にも楽しんでもらう時間を確保してあげたいですね。家族みんながストレスを抱えてしまわないような工夫、どなたかの参考になりましたら幸いです。

香村薫(こうむら・かおる) 片づけの専門家
ライフオーガナイザー
大学卒業後、トヨタグループ会社に入社。そこで学んだトヨタメソッドを家事に応用した「トヨタ式おうち片づけ」を提案。片づけサポート業務「ミニマライフ.com」を起業。全国での講演活動、個人宅での片づけサポートを行う。著書に「トヨタ式おうち片づけ」「トヨタ式超ラク家事」(ともに実務教育出版)「トヨタ式家事シェア」(主婦の友社)がある。NHKをはじめTVや新聞・雑誌などメディア出演多数。

【デキる男は住まいから】はライフオーガナイザーでミニマライフ.com代表の香村薫さんが、トヨタ自動車のグループ会社で学んだメソッドを家事に応用し、ビジネスパーソンが今すぐ実践できる「家事シェア」のノウハウなどを伝授するコラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら