運動不足解消で人出増加 公園やジョギングも新型コロナの感染に注意
新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続く中、公園に人出が集中し、東京都は4月25日から都立公園の駐車場や遊具施設を閉鎖した。だが、レジャー施設やスポーツジムなども休業しており、ストレス発散や運動不足解消のため、公園や河川敷で散歩やジョギングなどの運動をする人も多くみられる。運動でも多くの人が集まれば密集や密接状態になるおそれもあり、専門家は「適度に距離をとって」と呼びかける。
「公園の利用は3月に学校が休校になったときにドッと増え、その後、落ち着いたが、(4月半ばの休日に)倍増した公園もある」と港区の担当者は話す。公園内のバスケットボールコートなどを閉鎖したほか、不要不急の外出を避けるようポスターを張ったり、アナウンスするなどの対策をとっている。駒沢オリンピック公園(世田谷区)でも4月に入り、ジョギングする人が増えたとして、ツイッター上で、「園内が混雑する時間帯(10時~15時)を避けて」と呼びかけた。
ジョギングについては、「(呼吸などで)飛沫(ひまつ)が約2メートル移動する可能性がある」として、前後に並んで走ることの危険性を指摘する研究結果もある。フランスでは日中にジョギングなどの運動のために外出することを禁じている。
自身もランナーである京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥さんは、動画投稿サイト「YouTube」で、「走って大きく息をすると、周りにウイルスをまき散らしているかもしれません」と指摘。「せきやくしゃみと同じく、周囲への配慮として走るときもマスクをつけて、エチケットを心がけましょう」と呼びかけている。
一方、公園での密集が問題となり自治体が対策に乗り出すなか、自然を感じられるレジャーへの関心が高まりをみせている。
インターネット検索大手「ヤフー」が発表したゴールデンウイーク関連の検索の分析結果によると、「潮干狩り」のキーワードの検索数は昨年並み。「ゴールデンウィーク キャンプ」は昨年以上に検索数が伸びているという。同社は「人がいないところを求め、結果的に人が殺到して感染リスクが高まるようにならないよう、警戒する必要がある」としている。
国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は、外出自粛の中での公園などへの外出について、「ストレスの蓄積を考えると、駄目とは言えない」とする。そのうえで、▽少しでも体調が悪い場合は外出しない▽遊具は譲り合うなどして密接を防ぐ▽極力他者との距離をとる-といった注意点を挙げる。さらに「ひとりひとりの意識が大事。外出自粛を中長期的なものと考え、この生活に慣れるしかない」と強調した。
不要不急の外出自粛が呼びかけられる中、緊急事態宣言が出された後も公園の人出が増加している。スマートフォンのアプリなどを通じて得られるGPS(衛星利用測位システム)の位置情報などを解析する「アグープ」(東京)が分析。都内の公園の1日当たりの平均滞在人口を算出した。
緊急事態宣言発令以降、2度目の日曜で絶好の行楽日和となった4月19日は、世田谷区の砧(きぬた)公園で約3500人。都が要請した週末の外出自粛の初日にあたる3月28日以降、もっとも多い人出となり、3月28日と比べ約76%増加した。葛西臨海公園(江戸川区)も約1100人で2倍以上増加。駒沢オリンピック公園も25%増加した。
一方、上野公園(台東区)は3月28日以降の週末は3000~4000人で推移、大幅に増加していない。公園内の施設が利用中止となっているほか、上野駅の利用客も減少しており、都外からの観光客などが減ったためとみられる。