デキる男は住まいから

GWは家族で片づけを… やってしまいがちな間違い5選

香村薫

 今年のGWは家族と一緒に片づけをしよう!とお考えの方はいらっしゃいませんか? 実は片づけにはブームがあります。過去を振り返ると、阪神淡路大震災が起こったときに「断捨離」、東日本大震災のときは「ミニマリスト」という言葉が流行しました。人は自分の身に降りかかる困難があったときに、「家の中のモノを見直そう!」という思いになるのではないでしょうか。

 私は片づけのプロとしてこれまで数々のお宅を訪問し、一緒に片づけを進めてきました。その際に依頼者の方から、過去にトライしたけど上手くいかなかった片づけの失敗談をよくお聞きします。今回はその中から、やってしまいがちな片づけの失敗を5つご紹介します。

 《失敗例その1》リビングなど家族みんなで使う部屋から始める

 よしやるぞー!と家族が集う「リビング」から片づけを始めようとする方が多くいらっしゃいます。家族全員が同じような熱量であればよいのですが、そうではない場合、「お父さんが急に張り切りだした」と鬱陶しがられるパターンが多いのです。そうなると、お父さん以外の家族は守りに入ってしまい、「人のモノを勝手に捨てないで!触らないで!」と反抗することも。

 実際、片づけを依頼される方の中には、「家族と一緒に片づけて揉めたので、プロに依頼した」という方がいらっしゃいます。一度、家族間で揉めると、再び一緒に片づけをしよう!という意識に持っていくのは難しいそうです。

 そこで、まずは自分の物だけで片付けが完結するエリアから取り掛かかることをおススメします。もうこれ以上一人で片づける場所は無い!という段階になってから、家族みんなで使うエリアの片づけに移るようにしましょう。

 《失敗例その2》押し入れ・納戸・開かずの間などの巨大エリアから始める

 せっかくの連休だから!と、いきなり巨大エリアから手をつけようとする方も要注意です。

◆巨大な場所は作業に時間がかかって疲れやすい

◆利用頻度が少ないエリアの場合、せっかく片づけても使いやすさを実感しにくい

◆思い出が出てくるたびに作業が中断する

 と、片づけを妨げる要因がいくつも潜んでいるのです。特に、思い出の品を置いてある場所は、そのたびに手が止まってしまいます。思い出は手放すかどうかの判断がつきにくいので、だんだんと片づけ作業がイヤになってくることも。

 そこで、こういう場所は後回しにして、最初は「毎日必ず使う場所」から着手しましょう。その場所が広い場合は、「引き出し1つ・カゴ1つ」からでもOK。10分程度で終わる片づけでも、毎日使うモノが入っている場所なら十分に達成感は得られますよ。連休は長いので、一日ずつその達成感と使いやすさを感じながらステップアップしていくと、途中で挫折することなく家の中を全て片づけられますね。

 《失敗例その3》捨てるモノを探す

 片づけを行うときに、ゴミ袋片手に捨てるモノを探す方がいらっしゃいます。捨てるモノを探す片づけは、やる気が持続しません。「モノを捨てる」という行為は楽しくないですものね。

 片づけを行うときは、「残すものを探す」という意識で片づけを進めてください。そうすると、「自分にとって残したいモノってなんだろう?」と考えるようになります。そして、残したいモノを考えるときに「使っているかどうか?」という基準で決めるケースをよく見かけます。

 この考え方、職場であれば問題ありません。でも、今回はおうちの片づけです。おうちの場合、「使っていないけど好きなモノ」も手元に置いておきたいと思いませんか? そこで、残すモノを決めるときに、使っているかどうか? に加えて、好きかどうか? も選択基準に入れるようにしてみてください。

 《失敗例その4》収納グッズを先に買っておく

 片づけを始める前に収納グッズを買い込む方がおられます。そもそも「何をいくつ残すのか」が決まっていないのに、どうやって収納グッズを選ばれているのでしょうか。大抵そうやって購入したものは、「サイズが合わず空間を有効に使えない」だったり、「取り出しにくいがとりあえず」と無理に使ってしまいます。最終的に残すモノの数、置く場所が決まってからまとめて買いに行くのが良いでしょう。

 《失敗例その5》劇的ビフォーアフターを目指してしまう

 メディアの影響からか、劇的なビフォーアフターの変化を目指そうとされる方がおられます。これ、見ている方は楽しいのですが、実際に暮らす人にとってはかなりのストレスです。

 行動心理学として有名なインキュベートの法則によると、人は新しい環境に慣れるまでに3週間ほどかかると言われています。その3週間の間は何を手に取るにもワンテンポ遅れてしまいますし、常に「どこに何が置いてあるか」を考えなければなりません。それってかなり辛いですよね。特にご家庭に年配の方がいらっしゃる場合は、あまり極端に場所を変更しないことを前提に進められるとよいですね。

 今回は、片づけで失敗しがちなポイントをご紹介しました。どなたかの参考になりましたら幸いです。

香村薫(こうむら・かおる) 片づけの専門家
ライフオーガナイザー
大学卒業後、トヨタグループ会社に入社。そこで学んだトヨタメソッドを家事に応用した「トヨタ式おうち片づけ」を提案。片づけサポート業務「ミニマライフ」を起業。全国での講演活動、個人宅での片づけサポートを行う。著書に「トヨタ式おうち片づけ」「トヨタ式超ラク家事」(ともに実務教育出版)「トヨタ式家事シェア」(主婦の友社)がある。NHKをはじめTVや新聞・雑誌などメディア出演多数。

【デキる男は住まいから】は株式会社ミニマライフ代表取締役で、ライフオーガナイザーの香村薫さんが、トヨタ自動車のグループ会社で学んだメソッドを家事に応用し、ビジネスパーソンが今すぐ実践できる「家事シェア」のノウハウなどを伝授するコラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら