ヘルスケア

禁煙指導のオンライン相談申し込み急増 コロナで「重症化リスク」

 新型コロナウイルス感染症でたばこが重症化のリスク要因と指摘されていることを受け、禁煙に挑戦する人が増えている。盛んなのがスマートフォンのアプリなどを使ったオンライン指導。通院せずに「3密」を避けられるため広がっている。

 「コロナがきっかけで禁煙を始めようと思った」「飲み会がなくなったので、禁煙しやすい」。市民ら向けに禁煙支援事業を実施する大阪府豊中市では3月以降、こうした利用希望の申し込みが急増している。

 市が提供するのは、アプリで喫煙の危険性を学習しながら毎日状況を記録したり、ビデオ通話で看護師や保健師らの指導を受けたりできるプログラム。ニコチンパッチなど禁煙補助剤を自宅に送ってもらえる。利用は原則1年間で、市民は無料。市内で勤務する人も3000円で受けられる。

 昨年7月からこのプログラムを使って禁煙を続けている同市の会社員、利川重弘さん(55)は「オンラインだけど、親身に相談に乗ってもらえる。吸うわけにはいかない気持ちになる」と継続の理由を語る。

 以前は1日20本ほど吸っていたという利川さん。「1本5分として1日に100分使っていたことになる。1年間にすれば大変な時間」と、時間を有効活用したいとの思いで始めたが、新型コロナの感染拡大を受けて「やっぱりたばこは危険。やめた方がいい」としみじみ話す。

 医学界では、喫煙は新型コロナによる肺炎の重症化リスクになるとの指摘が相次いでいる。今年4月には受動喫煙対策を強化した改正健康増進法が全面施行され、既存の小規模店を除き飲食店は原則禁煙に。スモーカーにとっては禁煙を考えさせられる変化が続く。

 豊中市は市民の健康促進や医療費削減を目的に昨年6月から禁煙支援事業を開始。今年2月まで利用者は月平均で15人程度だったが、3月は37人、4月は52人と急増した。

 市から委託を受け事業を実施する医療ベンチャー「CureApp(キュア・アップ)」(東京)は、民間企業にもアプリを提供しており、昨年5月に約60社だった契約先は現在、約190社に増加。導入を検討する企業から4月に寄せられた問い合わせ件数は、昨年同月比で約14倍に上っており、利用企業は今後も増える見通しだ。