新時代のマネー戦略

「疲れないポイ活」を叶える4つの習慣 少しの意識で3万円アップ

小沢美奈子

 今年は新型コロナウイルスの影響により、給料や夏のボーナスが減ったというご家庭は多いと思います。暗い話題が続くこのご時世。少しでも得することに目を向けられると、気持ちが楽になると思います。さて「得する」とはいったい何が考えられるでしょうか。私が提案するのが「ポイ活」です。

 ポイ活とは、ポイント活動の略で、ポイントを貯めてお得に活動することです。ポイ活に興味のない方でも、「共通ポイント」と呼ばれている、「Tポイント」「楽天スーパーポイント(楽天ポイント)」「Pontaポイント」「dポイント」のどれかはおそらく「何となく」貯めているでしょう。

 せっかく貯めていても、眠らせている人も多いようです。しかしポイントは、お金を使いながら貯めることができて、なおかつ貯めたポイントは買い物や旅行などに自由に使うことができる「ご褒美」のようなものだと筆者は考えています。こんな時代だからこそ、ほったらかしにしているご褒美を有効活用してみませんか。

 今回は、共通ポイントを中心に、お得な貯め方、使い方、注意点を筆者の経験を交えてご紹介します。

 みんなのポイ活事情

 人気のポイントサービスはいったい何でしょうか? モバイルリサーチを展開する「ネットエイジア」が男女2000人を対象とした調査の結果よりご紹介します。

1位 Tポイント(65.7%)

2位 楽天スーパーポイント(60.2%)

3位 Pontaポイント(46.6%)

4位 dポイント(34.8%)

5位 Amazonポイント(25.0%)

 「利用しているポイントサービス」はご覧の通り、4位までは共通ポイントで占められています。共通ポイントの良さは、貯められるお店が多いことや、ポイントの使い道が豊富なことなどです。汎用性の高さが、共通ポイントの魅力と言えます。

 一方、同調査によると、保有しているポイントの内訳は以下の順になっており、平均額は1万4670円とのことでした。

1位 1000円~3000円未満(13.6%)

2位 10000円~30000円未満(12.2%)

3位 5000円~10000万円未満(12.1%)

4位 3000円~5000円未満(9.6%)

5位 500円~1000円未満(8.4%)

 意識しただけで3万2000円もアップ

 参考までに筆者のポイ活をご紹介したいと思います。ポイ活を始めるまでは、複数のポイントを何となく貯めていた状態でした。ポイ活を始めようと思ったのは2019年。以来、メインを楽天ポイントとして、1年間で約38000ポイント(3万8000円相当)を貯めることができました。ちなみに2018年に貯まった楽天ポイントは約6000ポイント(6000円相当)でしたので、2019年は急激に増やしたことになります。

 しかし、筆者自身は特に手間ひまかけてポイ活をしたつもりはありません。ただ、ポイントを増やすための準備を整えて、意識を向けたことが増加につながったのです。どのようなことでポイントを集めたのかをご紹介します。

 ▼相性の良いクレカを作って、すべての決済をクレカで行う

 より多くのポイントを貯めるなら、ポイントと相性の良いクレジットカードを作ることが必須です。

【ポイント+クレカ 相性のよい組み合わせ(一部)】

楽天ポイント+楽天カード

Tポイント+Yahooカード

Pontaポイント+Pontaカード

dポイント+dカード

 普段の買い物はもとより、公共料金の引落しや保険料の支払いなどをすべてクレカで決済すれば、楽にたくさんのポイントが貯められます。

 筆者の場合は、楽天カードを持っていたものの、2018年までは現金決済が多かったこともあり、活用し切れていませんでした。2019年からは買い物のほとんどを、楽天カードをメインとしたキャッシュレス決済に変更し、さらに銀行と証券会社ともに楽天を頻繁に利用。あくまで生活を変えずに決済手段や利用する金融機関を変えただけで、結果、ポイントを増やすことに成功したのです。

 ▼ネットの買い物は「クレカ払い+ポイントサイト経由」

 ネットで買い物をする際も一工夫することで、ポイントを増やすことができます。

 その仕組みをご説明すると、楽天市場などのネットショップでの買い物をクレジットカードで決済することで、ネットショップのポイントと、カードのポイントの2重取りができます。

 加えて「ポイントサイト」経由でアクセスすれば、ポイントサイト独自のポイントもゲットできるため、ポイントの3重取りが可能となります。

 例えば、ポイントサイトAを経由してネットショップで買い物をすると、Aサイト側ではAポイントが、ネットショップ側ではネットショップのポイントが貯まります。Aサイトで貯めたポイントは、自分がメインで貯めている共通ポイントに交換でき、ポイントの集約化を図れるというわけです。

 代表的なポイントサイトには、「モッピー」や「ハピタス」などがあります。初めて利用する方は、貯めたポイントが1ポイント1円で交換できるモッピーとハピタスが分かりやすくておすすめです。

 ▼医療費をクレカ払いにする

 入院などで高額な医療費の支払いが生じた時に、クレカ払いをすると、その分のポイントが付与されお得です。ポイントは「限度額適用認定証」を利用せずにクレカで支払うことです。仕組みは次のとおりです。

 高額な医療費が発生した場合は、「高額療養費制度」を利用する方がほとんどでしょう。高額療養費制度は、医療機関などの窓口で支払う医療費が1カ月で上限額を超えた場合に、その超えた額が支給される制度です。ただし、後から支給されるとはいえ一時的な支払いは大きな負担です。そのため、自分が加入している健康保険組合などで「限度額適用認定証」の交付を受けておいて、医療費の精算時に認定証を窓口に提示することで、「差額精算」が可能となり、窓口での負担がぐっと抑えられます。しかし、ポイ活を兼ねるのであれば、認定証を提示せずに、高額療養費制度が適用される前の金額をクレカで払うのです。そうすると、支払った金額を対象にポイントが付与されます。

 「高額療養費制度は使わないの?」という疑問が生じるかもしれませんが、高額療養費制度は、後から自分が加入している医療保険に申請すれば適用が受けられるため、全く問題ありません。

 筆者は、身内が入院した際に、医療費の精算で「限度額適用認定証」の交付が間に合わず、医療機関の窓口で医療費の全額をクレカ払いした経験があります。後から高額療養費の支給を申請し、医療費の払い戻しを受けられました。ただし高額な医療費のクレカ払いは、自費での立て替えや、申請などの手間もかかるため、「こんな方法もある」程度に覚えておくようにしてください。

 ▼ポイントを運用する

 「ポイント運用」は、貯めたポイントを、個別株やETF(上場投資信託)など値動きと連動してポイントが増減するサービスです。手持ちのポイントで運用体験ができるというわけです。楽天ポイント、dポイント、Pontaポイントといった主要なところがポイント運用を開始しています。筆者も現在3社のポイント運用をしています。

 もちろん運用である以上、ポイント数の増減は発生しますが、貯めたポイントをほったらかしているくらいなら、運用に回して、増える楽しみを見つけるのもよいと思います。

 貯まったポイントの得する使い方

 ポイントは貯めるだけではなく、使う楽しみも味わいたいものです。昨今ポイントの使い道は多岐にわたります。例えば貯めたポイントをマイルに交換することができます。ちなみにマイルへの交換は、すべての共通ポイントで実施しています。ほかに、投資や「ウェル活」といった活用法もあります。

 ▼ポイントで投資する

 最近は「ポイント投資」ができるところも増えています。ポイント投資とは、提携の金融機関に口座を開設し、そこでポイントを原資として、株式や投資信託に投資できるサービスです。ポイントを実質的に現金化し、実際の金融商品を購入するという点でポイント運用とは異なります。売買には通常の取引と同様に手数料が発生します。Tポイントでは、株式、投資信託、仮想通貨、FXに投資できるサービスを実施。楽天ポイントやLINEポイントなどでもポイント投資があります。もちろん資産を増やすことも夢ではありません。

 ▼ポイントの価値が1.5倍になるサービス

 ほかのお得な使い方に、「ウェル活」があります。全国の「ウエルシア薬局」では、毎月20日にTポイント200ポイント以上の利用で、1.5倍の買い物ができるサービスデーを実施。例えば500ポイントあれば750円分、1000ポイントなら1500円分の買い物ができるというお得さが話題となっています。

 「ポイントのための買い物」は本末転倒

 最初は気乗りしなくても、ポイントが貯まり出すと面白くなってくるのがポイ活です。ともすると、ポイントのために余計な買い物をしてしまうことも考えられるため、そこは自分を律することが重要です。どのようにしたらよいのでしょう。

 ▼ポイントの管理もできる家計簿アプリ

 余計な買い物を防ぐためにおすすめなのは家計簿アプリを使うことです。筆者は「マネーツリー」という家計簿アプリを利用して、家計とポイントの両方を管理しています。マネーツリーはクレジットカードのほか、各種ポイントカードも連携できるアプリです。1つのアプリ内で家計と複数のポイントの管理ができるため、非常に便利です。

 家計管理の習慣化は、頭の中に「電卓」が備わることに直結します。買い物をする際に頭の中の電卓が動けば、自ずとポイントのための「無駄買い」もなくなるでしょう。

 ▼有効期限にも注意

 そのほか、ポイントの期限管理にも注意が必要です。ポイントの多くには、有効期限が設けられているためです。

【共通ポイントの有効期限(2020年6月末時点)】

・Tポイント…最終利用日(貯める、使う、交換する)から1年間

・楽天ポイント…最後にポイントを獲得した月を含めた1年間。期間内に1度でもポイントを獲得すれば、有効期限は延長される

・dポイント…獲得した月から起算して48か月後の月末まで

・Pontaポイント…Ponta会員は、1年後の同日まで。Ponta会員でない場合は、最終のポイント加算日から12カ月後の月末まで

※キャンペーンなどで獲得したポイントは除く

 さらに注意が必要なのは、キャンペーンや特典で付与されるポイントです。「期間限定ポイント」「期間固定ポイント」「サイト限定ポイント」といったように、サービスごとに名称が異なります。通常のポイントとは異なり、ポイントごとに有効期限や利用先が決められています。有効期限も通常ポイントより短く設定されていることが多いので気を付けましょう。

 振り回されず「楽しみを増やす」ためのポイ活

 「ポイントに振り回されたくない」と思っている人は意外に多いと聞きます。けれども、いつの間にか貯まったポイントで、いつもより豪華な食事ができたり、旅行に使えたりしたらきっと嬉しいと思います。生活の中の楽しみを増やす一つの手段として、気軽に「ポイ活」を始めてはいかがでしょうか。

小沢美奈子(おざわ・みなこ) ファイナンシャルプランナー AFP認定者
K&Bプランニング代表。大学卒業後、損害保険会社にて社員教育、研修講師などを経験。約12年間勤務後、外資系損害保険会社で営業に従事。ファイナンシャルプランナーとして活動開始後はWebや書籍などで記事執筆、セミナー講師、家計相談、写真撮影などを行う。シニアや生活困窮者のライフプランにも力を入れる。フォトライターとしても活動。趣味はカメラ。

【新時代のマネー戦略】は、FPなどのお金プロが、変化の激しい時代の家計防衛術や資産形成を提案する連載コラムです。毎月第2・第4金曜日に掲載します。アーカイブはこちら