コロナ禍 健康の守り方教えます
オンラインセミナー「コロナ禍 健康被害を防ぐために」
誰もが100歳まで生きることが当たり前になる時代に備え、産経新聞社が取り組む「100歳時代プロジェクト」は、パートナー企業の太陽生命保険との共催で「コロナ禍 健康被害を防ぐために」と題したオンラインセミナーの配信を開始した。
第1部は、健康政策を専門とする筑波大学大学院スポーツウエルネス学学位プログラム長の久野譜也氏が「コロナ禍の“健幸”づくり」をテーマに講演。続く第2部では、筋トレ指導で知られる近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科准教授の谷本道哉氏が「健康被害を防ぐための実践方法」として、体力づくりに役立つ運動のポイントを実演を交えて解説した。
また、太陽生命保険の平山貢造・営業企画部長は、認知症予防保険など同社の取り組みを紹介した。
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筑波大学大学院スポーツウエルネス学学位プログラム長・久野譜也氏
■運動を習慣付け、フレイル予防を
コロナに感染しないために外出はある程度は自粛しなければいけません。ただ、正しく恐れてうまく外出もしなければいけません。
運動量によって感染リスクがどう変わるかのデータをみると、「不足」「過度」で非常にリスクが高くなりますが、「適度」は下がります。これは免疫力が変化するからです。つまり自粛し過ぎて運動不足になると免疫力が低下する傾向にあるので、買い物など最低限の外出でも感染するリスクが高くなります。
感染という一次被害を防ごうとして、運動不足になると高血圧や糖尿病など基礎疾患が悪化する健康二次被害も引き起こします。また、外出自粛で人と会わずに会話の機会が減ると特に高齢者は認知機能の低下を招きますし、「フレイル」と呼ばれる身体の虚弱化につながる恐れもあります。感染を怖がり過ぎ、自宅でじっとしていることには大きなマイナスの影響があると理解していただきたいと思います。
だからコロナ禍のいま、運動習慣を付けておくことです。これが結果的に予防になりますし、コロナ収束後も人生100歳時代を元気に過ごすことにつながります。逆に極端にステイホームした人は、せっかくコロナが終わって生活を楽しもうとしても、フレイルで旅行にも行けないという生活が待っているかもしれません。コロナを正しく恐れて手洗いやうがいを行いつつ、健康二次被害や認知症やフレイルを予防する生活のバランスが大切です。
100歳時代を生きがいを持って生き抜くために、外出して趣味やスポーツ活動に取り組み、日常的に運動を行う。一人で体操やウオーキングをするだけではなく、人と会話し、そして笑う-そんな日常をぜひ取り戻してもらいたいと思います。
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【プロフィル】久野譜也(くの・しんや)
筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。医学博士。米ペンシルベニア大留学などを経て、令和2年から現職。健康増進分野で日本初の大学発ベンチャー、つくばウエルネスリサーチの社長も兼務。
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近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科准教授・谷本道哉氏
■超ラジオ体操と筋トレで気持ちよく
理屈だけで体は変わりません。実践が必要です。実践編で体を動かして楽しく、うれしく、気持ちいい状態にしてください。
コロナでこわばってしまった体をほぐすためにラジオ体操が適しています。ここでは、超丁寧に、超大きく、超気持ちよく体を動かす“超”ラジオ体操を実践します。
【前後屈】前屈は体の上から順に首を下に向けて、背中を曲げるために両手をつなぎ肩甲骨を使います。この手を下にぐーっと引っ張ると、肩が出て背中がよく曲がります。そこから前に倒します。後ろも顔を上に向け、両手を腰の横ではなく後ろに当ててください。肩甲骨が寄るので、背中がよく反ります。適当に膝しか動いていない人がいますが、それではダメ。背骨まわりをしっかり曲げましょう。
【体を横に曲げる・回す】ひと工夫として“伸び”と組み合わせていきます。まず、手を組み上に向かってぐーんと伸ばし、曲げていく側の手で引っ張って背中を曲げます。さらに軽く膝を曲げて全身で大きく横に曲げます。組んだ手はそのままにして、足を肩幅より少し大きく開き、上半身を回します。大きくまわれば気持ちがいい。これで大きくほぐれたと思います。
次は筋トレです。筋肉は裏切らないと言いますが、やり方次第です。丁寧に効率よく鍛えましょう。
【腕立て伏せ】固定したテーブルや台所のシンクなどに手を肩幅より少し広げてかけます。ここから体を斜めにして、胸が付くまで深くおろしていきます。きつくてできない人は、片足を少し前に出すと楽になるので負荷を調整してください。10回で限界になるくらいのフォームでしっかり行いましょう。
【スクワット】脚は肩幅ぐらいに開き、深くしゃがみやすくするためつま先を少し外に向けます。手を肩に置き背すじをしっかりと伸ばしたら、お尻を後ろに突き出してお辞儀をしながら深くしゃがみます。体が立ったままだと膝が突き出て膝を痛めやすいので、お尻を引いて前傾しましょう。
同じ種目は2日に1回で結構です。まずは10回1セット、できればもう1セットできるとなおいいと思います。
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【プロフィル】谷本道哉(たにもと・みちや)
東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系修士・博士課程修了。国立健康・栄養研究所特別研究員や順天堂大学博士研究員を経て、平成25年から現職。NHK「みんなで筋肉体操」に講師として出演。
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■「元気に長生き」を応援
共催している太陽生命保険の平山貢造・営業企画部長は、「新型コロナウイルス感染症の対応に従事されている全ての医療関係者、ならびにその方々を支えていらっしゃるご家族に対し、深く感謝申し上げます」とあいさつ。「コロナ流行前に比べて、外出や体を動かす機会が減ってきているが、本セミナーで久野先生、谷本先生の講演を聞いて自らも健康被害を防いでいきたい」と述べた。
同社では、「認知症」という社会的課題を解決するため、健康に不安のある人でも簡単な告知で加入できる認知症治療保険や認知症の予防をサポートする認知症予防保険を業界に先駆けて発売。昨年9月には、新型コロナウイルス感染症を含む所定の感染症などで入院した場合に最高40万円の一時金を支給する商品を発売し、6カ月で販売件数が7万件に到達した。
また、今月からは新たな疾病予防サービスとして、簡単な血液検査で、現在がんである可能性や、将来脳卒中や心筋梗塞、糖尿病になるリスクを一度に評価できる「アミノインデックスリスクスクリーニング」のご案内を開始した。
「これからもお客さまに寄り添い、誰もが安心して『元気に長生き』できる社会の実現を目指していきたい」と語った。