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この1年で「お金が増えた人・減った人」の違いは? お金の使い道ランキング

SankeiBiz編集部

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う初の緊急事態宣言が発令されてから1年が経過した。コロナ禍は家計を直撃。資産が減った人は少なくないが、一方で増えた人もいるようだ。この1年間、お金の使い方にどのような違いがあったのか。資産運用コンサルティングなどを行う企業が実施したインターネット調査から浮かび上がった傾向とは。

 ポイントは「食費」

 富山県の金融商品仲介業「Fan」が20~70代の男女1351人を対象に実施した調査によると、コロナ禍で資産が減った人の中で、最も増えたのが食費。約6割の人が使途を「食生活」と回答した。コロナ自粛で生活や働き方が一変。テレワークが普及したことで、自宅で気軽に出前をとる人も増加傾向にある。

 米ウーバー・テクノロジーズは、料理宅配サービス「イーツ」を含む配達部門の昨年10~12月期の売り上げが前年同期比で3.2倍伸長したと発表した。スマートフォンで数回タップするだけでレストランや居酒屋の料理が自宅に届く便利なサービスではあるが、料金には配送料やサービス料なども含まれ、店頭で食事する際にかかる値段の2倍以上になるケースもある。

 一方で飲食店のランチタイムでは、1食あたりの値段が安く設定されていることも多い。コロナ前にお店でランチをとっていた人の中には、テレワークで出前をとるようになったことで食費が増えてしまった可能性もありそうだ。

 使い道は「食費」→「投資」に

 これに対し、この1年で資産が増えたという人も。資産が増えた人で「食」への出費が増えたと回答した人は2割にも満たなかった。

 資産を増やした人が最も多く回答したのは「金融投資・保険」の約4割。少額から投資を始められるようになり、株や投資信託などの運用益や配当金が一定額非課税になる「NISA」や「つみたてNISA」を活用する人も増えている。

 楽天証券では今年3月、新規口座開設数が25万529口座と過去最多を記録した。新規口座開設者のうち、投資初心者が占める割合は2016年は59%であったのに対し、2021年では75%まで増加したという。30代以下の占める割合も51%から68%まで増加しており、投資未経験の若年層が、積極的に投資を始めていることがうかがえる。

 新規感染者数は増加と減少を繰り返しており、今月12日には東京、京都、沖縄の3都府県に感染拡大を防ぐ「蔓延(まんえん)防止等重点措置」が適用された。コロナ禍の鬱屈や景気悪化を背景に社会不安は確実に広がっている。金融に関する正しい知識を身に付け、お金と上手に付き合っていくことが求められる。

 Fanは今回の調査結果について、「お金について改めて考えるきっかけとなれば」としている。

SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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