デキる男は住まいから

本好きミニマリストの「本の片付け方」 人気の新刊は電子でなく紙で買う!?

香村薫

 「本が大量にあって困っています」という片づけのご相談を頂くことがあります。

 クロス・マーケティング社による「読書に関する調査結果(2020年)」によると、コロナ禍で若者の読書量が2割ほど増加しています。紙の本は数冊なら何の問題もありませんが、数が増えると場所を取り、そして重量があるので収納場所に困る、災害時に倒れてくる可能性がある、ということでお悩みの方が多いように感じます。

 本は、片づけにおける“ものさし”のひとつである「使用頻度」に当てはめにくく、「一度読んだけれどもまたいつか読むかもしれない」と思うと手離しにくいものです。そこで、今回は片づけのプロでありミニマリストでもある筆者が、本の持ち方・手放し方についてアドバイス致します。

1.今すでに持っている紙の本 仕分けの基準と並べ方

▼ジャンル分けして「向き合う」

 まずは、今持っている紙媒体と向き合うこと、「本のジャンル分け」から始めましょう。本を沢山持っている場合は、この12ジャンルにすると分けやすいですよ。

1.ビジネス・経済

2.文学

3.コンピューター

4.医学

5.人文・思想

6.歴史・地理・社会

7.趣味

8.科学・テクノロジー

9.教育・受験・語学・資格

10.暮らし・健康・子育て

11.お金

12.その他

 ジャンルに分けることで、「自分がよく買う本のタイプ」が数字として明確にあらわれます。タイプを知れば、次に本を買おうと思った時に「あのジャンルは未読の本が3冊もあるから…」などと歯止めのキッカケとなるのでぜひやってみてください。

 ジャンル分けが終わったら、本を本棚に戻します。収納スペースに余裕がある場合は、全ての本をジャンルごとに右肩上がりに並べるとスッキリキレイに見えます。

▼仕分けする 有効な2つの方法

 収納スペースが狭い場合は下記2案が有効です。

《A案》

「今月は英語学習月間」「来月はお金に関する本」と月ごとにテーマを決め、そこに関連する書籍をサッと手に取れる場所に置いておく。

 一カ月間という期限の中でテーマが決まっているとやる気がアップします。このとき、テーマに関わるジャンルの本は全て置いておくことで、結果的に「手にした本」「見ることがなかった本」がわかるので、自分が読みたい本の傾向を知ることができます。

 見ることがなかった本は「図書館で借りることができるか?」を調べることで、今は一度手放し、また必要になったら借りよう! と割り切るキッカケにもなりますね。

《B案》

「今月読む本」というように、「読みたい」と思う本を全てさっと手に取れる場所に並べておく。

 この場合、一カ月で何冊読めたか? を数字で「見える化」することができるので、「一日の中で読書にかけられる時間」「1冊読むのにかかる時間」が明確になり、本の買いすぎを食い止めるきっかけにすることができます。

 ただし、特に大人の場合は、「読みたい!」と思う本の数と、実際に読書に費やせる時間に大きな差があることに気づきます。そこで我が家では、比較的時間に余裕のある「子供」にこの方法を使っています。

 あえておもちゃ箱の前にタイトルが見えるようにまとめて置いておくと、「つい手に取って読んでしまう」と子供が言っていました。

 現在我が家の小学生は2日に1冊のペースで読み終えるので、2週間に1度図書館で10冊借りるようにしています。

2.これから買う本 電子書籍のデメリットもこれで解消

▼電子書籍やオーディオブックを利用

 筆者自身はミニマリストなので、基本的には電子書籍を利用しています。

  • Amazonのkindleアプリを使い、月額980円のKindle Unlimited
  • Amazon Audibleという月額1500円のオーディオブック

 この両方のサービスに加入していますが、個人的にはAudible(オーディブル)がオススメです。例えば家事で手を動かしながら、また暗闇で子供の寝かしつけをしながらでも耳で読書ができます。

 また、これは電子書籍全般に言えることですが、毎日の電車通勤、ちょっとした待ち時間に重たい紙の本を持ち歩く必要がないということで、筆者には必需品です。

▼人気の新刊は紙で買い、すぐに売る

 ただ電子書籍にはデメリットもあります。新刊が反映されるのが遅い、ということです。また、「どうしても紙の本がいい」という方もいらっしゃいます。

 そこで、図書館での予約が詰まっているような人気の新刊については、紙で購入し、必ず一週間以内に読み、すぐにメルカリで売るようにしています。

 メルカリでは、書籍(雑誌含む)は裏のバーコードを読み込ませ、本の状態(新品同様、など)を選択するだけで出品できます。その際に落札されやすい金額も提示してもらえるのでラクですね。

売れやすいものは出品後すぐに落札される傾向にあるので「24時間たっても売れなかった場合は価格を下げる」と割り切ることができます。

 今回は本の片づけについてご紹介しました。ぜひ週末にでもご家族みんなで本の片づけに取り組んでみてはいかがでしょうか?

参考になりましたら幸いです。

香村薫(こうむら・かおる) 片づけの専門家
ライフオーガナイザー
大学卒業後、トヨタグループ会社に入社。そこで学んだトヨタメソッドを家事に応用した「トヨタ式おうち片づけ」を提案。片づけサポート業務「ミニマライフ」を起業。全国での講演活動、個人宅での片づけサポートを行う。著書に「トヨタ式おうち片づけ」「トヨタ式超ラク家事」(ともに実務教育出版)「トヨタ式家事シェア」(主婦の友社)がある。NHKをはじめTVや新聞・雑誌などメディア出演多数。

【デキる男は住まいから】は株式会社ミニマライフ代表取締役で、ライフオーガナイザーの香村薫さんが、トヨタ自動車のグループ会社で学んだメソッドを家事に応用し、ビジネスパーソンが今すぐ実践できる「家事シェア」のノウハウなどを伝授するコラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら