学生から金融大国へ USIC通信

不況を乗り切る正しい金融リテラシーを 東北大学投資サークル・Tonpei Capital

学生投資連合USIC

 「大学のときに投資について腰を据えてしっかり勉強出来ていればな」と思ったことのある読者さんは少なくないのではないでしょうか? 東北大学の投資サークルTonpei Capitalでは、老後の堅実な資産形成を学ぶことができます。気になった金融ニュースを交換し合ったり、資産形成について学ぶ勉強会などを日々の活動としています。現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインでの活動をメインにしています。また、Tonpei Capitalでは、日々の短期取引などに興味がある方も歓迎しています。

■具体的な活動内容は

 低金利により収入をもとに貯金のみで人生100年時代を乗り切ろうとするのは無謀です。人口減少、年金不安、終わらない景気後退など私達を取り巻く環境は不安材料ばかりです。しかし、我々は、そのような状況下においても他人や政府のせいにせず、不況を乗り切る正しい金融リテラシーを身につけることを目標にしているサークルです。

■投資を始めたきっかけは?

K.W:高校の時に、友達と一緒にお金儲けの仕方についていろいろ調べていた時に、デイトレードというものを知ったのがきっかけです。デイトレーダーと呼ばれる人たちがどのような職業なのかが当時は分からなかったのでネットで調べていると、短期間でものすごい金額を稼ぐことも可能な職業だと知って凄く興味を持ちました。

 それからは書籍やネットで調べていくうちに、短期間で大きなお金を稼ぐことは極めて小数の人たちの話であって、ほとんどの人たちが損をしている業界だとしりました。逆にそのことが僕の挑戦心を掻き立て、そのままのめり込んでいきました。

 また、トレーダーの人たちは財務のデータを分析するだけではなくて、チャートからテクニカル分析や現在の値段から目標の値段まで到達する確率といった要素で瞬時に売買の判断をしていると知った時に凄く理系心をくすぐられてより興味を持った事を覚えています。そして成人し投資ができる年齢になり、それまでの興味が失せないままにはじめました。

久住:なるほど、やはり、デイトレードは華がありますからね。

K.W:久住君はどうして投資に興味を持ったの?

久住:まず、僕が大学一年生のときにコロナショックが起きました。

 東北大学で大学デビューを飾るつもりが、オンライン授業で出鼻をくじかれ、2020年の3月や4月はマンションの自室にに引きこもらざるを得ませんでした。暇で暇で仕方なかったので、こんな疑問が頭をよぎりました「今、世界で何が起こっている?」「なぜ、株価が暴落した?」

 しばらく調べているうちに、株式市場や債券市場の熱気や金融街のスーツスタイルのクールさが僕を魅了し、強い憧れを抱くようになりました。つまり、僕は、ロックダウンの暇つぶしをきっかけに投資をはじめました。

■尊敬している投資家は誰ですか?

久住:Ray Dalio氏を尊敬しています。彼のprinciplesという本が僕の人生で価値観に最も影響を与えました。サークルの代表としてオープンマインドで様々な意見を聞くことができるのは彼の本のおかげです。投資スタイルもとても参考になるのですが、それ以上に彼の哲学的な価値観は投資をしていない方にも有益な考え方が詰まっていると思います。この本は僕にとってのバイブルです。彼が書いた本によって私の人生のコンパスを手にすることができたという理由から Ray Dalioを尊敬しています。

K.W:海外の人ですね!!英語の本を読むのは大変そうだ(笑)。

久住:英語だと読むの遅くなりますよね。K.Wさんは誰ですか?

K.W:BNF氏ですかね、大学三年生から短期投資をはじめてわずか二年あまりで億り人となった伝説のトレーダーで、僕が知っている中で彼は最もトレーダー業で資産を増やした個人トレーダーだからです。さらに、僕が彼を尊敬する理由として、銘柄の数字情報の変動だけで各銘柄のチャートを思い浮かべることができること、卓越した相場観、数億円の売買を淡々と遂行できる胆力、取材を受けた際も全く驕った様子の見られなかったことが挙げられます。理性によって感情を制御しきった様な彼の姿に心惹かれました。

■参考にしているサイトはありますか

K.W:「Twitter」トレーダー達の注目していることや、材料が最もスピーディーに得られ重宝しています。Twitterは自動更新させるアプリがあるので、相場の時間は常に監視しています。個別株の企業分析情報が出たりすると反応して売買することもあります。「radionikkei」地合いや注目されている業種についてリアルタイムの情報が得られ、音声メディアであることが時間を有効活用でき便利だからです。アナリストの方のマクロな視点での情報を頭の片隅に入れておくと、取引の助けになります。

久住:情報源は性格が出るところですよね、ながら作業で情報を得ることが出来るメディアが多いですね。僕は、CNBC、yahoo finance、Seeking Alphaの順でよく見ます。

 CNBCはYoutubeチャンネルとTwitterアカウントまでフォローしてます。Twitterアカウントの方では、緊急ニュースを過不足なく伝えてくれるので、忙しい日にも情報面で劣後しないという面でとても役立っています。ヤフーファイナンスは個別銘柄の決算のコンセンサスやニュースを確認したいときに使います。Seeking Alphaは決算カンファレンスコールのトランスクリプトが載っている事があるので、その際に、訪問したりします。英語圏の投資情報は日本語への翻訳を待たずに情報を入手することが出来るので重宝しています。

■投資スタイルに関してこだわりを教えてください

久住:基本はコアサテライト作戦で、サテライトの部分に米国の個別銘柄を仕込んでいます。個別銘柄の銘柄選択の基準なのですが、過去の四半期で良い決算を出しているという条件に加えてチャートの形が良い銘柄を選びます。例としては$TSLAです。7/28にはキレイな三角持ち合いのチャートパターンと好決算という2つの理由から僕は、$TSLAを買いました。その後見事に暴騰しました。

K.W:米国株か、まだ勉強追いついていないな、今度教えて(笑)。

久住:もちろんです(笑)。

K.W:僕は日本株をデイトレードしてます。板情報と歩み値その日に起きている材料のすべてから判断して、トレードします。毎日、少額ずつですがコツコツ儲けていくスタイルです。

K.W:というわけで、今日はインタビューありがとうございました!

久住:コロナが落ち着いたらオフラインの勉強会したいですね。

K.W:そうですね、なかなかお互いの投資スタイルから学ぶ機会がないからね。

久住:あとは、投資=危険と考えている人がまだ多いので、せめてこのサークルに入ってくれた人たちとは一緒に正しい知識を学びたいですね。

K.W:そうだよね、「今日一日何をする?」だって投資なんだからさ(笑)。ほとんどの人は勘違いしていると思う。

久住:金融リテラシー向上のために僕らでも出来ることを少しずつやっていこう!

■久住大善 (くすみ まさよし) 東北大学工学部電気情報物理工学科応用物理学専攻2年 東北大学投資サークルTonpei Capital代表(学生投資連合USIC所属団体)。2020年春にコロナショックをきっかけに株式投資を知る。米国株を中心に取引する投資から学んだこと:リスクリワードの考え方。好きな言葉は「秩序」。趣味:旅行。プログラミングを勉強中で投資に役立つツールを開発中

■K.W 東北大学理学部物理学科二年 東北大学投資サークルTonpei Capital所属。幼少期から自分の興味関心の赴くままに生きてきた変わり者。大勢が敗北し、危険視するデイトレードに対して「エッジがある」という無謀な動機で参入してしまう。座右の銘は「努力とリスクは蜜の味」

学生投資連合USIC(がくせいとうしれんごうUSIC) 全国28大学1000人以上で構成される日本最大の金融系学生団体
「日本を学生から金融大国に」というビジョンのもと「学生の金融リテラシー向上」のための活動を行う。企業団体・官公庁との勉強会開催、IRコンテストの運営、金融情報誌SPOCKの発行を行う。https://www.usic2008.org/

【学生から金融大国へ USIC通信】投資や金融に興味を持った切っ掛け、将来の展望やコロナ禍での学生生活の実情など、「学生投資連合USIC」に所属する各大学のサークルがリレー形式でお送りします。アーカイブはこちら