学生から金融大国へ USIC通信

「普通の生活」が壊れたとき 大学生が感じたオンライン化の「可能性」と「弊害」

学生投資連合USIC

 はじめまして! USICに加盟する滋賀大学公認サークルの株式投資研究会、現代表の水上慶一と申します。新型コロナウイルス感染症の影響により、オンライン中心の生活に世の中が移行してからもう2年が過ぎました。講義が完全オンラインになったり、大学の施設に利用制限が設けられたりなど、学生生活に絞っただけでも様々な変化がありました。私たちの投資サークルの活動も例外ではなく、今回はそのようなコロナ以前から現在までの環境の変化を振り返りつつ、私たちの活動についてお話しできればと思います。

■「普通の生活」が壊れたとき

 私は「平成」で入学し、初めての成績は「令和」で貰うことになった、ちょうど年号の変わり目の年に入学した学生でした。春には新入生歓迎会に参加し、高校時代に簿記を勉強したことをきっかけに会計情報を使った投資に興味を持っていた私は、迷わず投資サークルに入りましたが、定期的にEDINETで企業の財務諸表をチェックするという少々特殊なルーチンワークを除けば、大学の講義とサークル活動に邁進する、典型的な学生生活を送っていました。サークルメンバーの希望者を募り、メンバー間での交流を深めるためにゲーム大会が開かれたこともありました。

 そんな普通の学生生活が崩れ去ったのは、大学1年生の時間も終盤に差し掛かった令和2年の冬でした。サークルの役職メンバーの引継ぎも終わり、春からのサークルの活動内容を話し合っていた頃に、新型コロナウイルス感染症は徐々に世の中を侵食しはじめました。春前には新学期のサークル活動はおろか、大学生活までも脅かされることとなり、不安定な情勢のまま新年度を迎えることになるのでした。

■オンライン化の弊害

 結論から言えば、私たちのサークルにとっては「オンライン化」はメリットよりもデメリットの方が目立つ結果となりました。人と人との距離感、サークルの部屋の熱気、大学までの通学時間など、コロナ以前では全くもって意識していなかったことでしたが、オンライン化によって失われた今では、適度な緊張感ややる気を引き出させる重要な要素であったように感じます。

 オンライン会議ツールによって時と場所を選ばず活動できるようになったこと自体は勿論良いことであり、自発的にやる気を引き出せるメンバーにとっては活動の幅が広がったのではないかと思います。結果的に、やる気を維持できるメンバーとそうでないメンバーとの間で熱量の二極化が発生してしまい、春には10名近くいた新入部員も、年度が終わる頃には3名まで減少してしまいました。

■オンラインの可能性

 しかし、オンライン化のすべてが悪かったと言われれば、そうではないとはっきりと答えられます。対面には対面のやり方があるように、オンラインにはオンラインのやり方があり、前述したデメリットはそのやり方を模索している段階に起きた悲劇であったと感じます。むしろ、オンライン化によって活動自体の幅は従来よりも広がったと考えています。

 その一例として、私たちのサークルでは昨年度に初めて野村ホールディングス・日本経済新聞社が運営する「日経STOCKリーグ」に参加しました。オンライン会議ツールを活用することで、従来の対面による活動では難しかった休日の活動や、海外留学中のOBとの対話を重ねることができ、時間や距離の壁を越えるといったまさにオンラインのメリットを享受することができたのではないかと思います。

■今後に向けて

 従来とは異なるものの充実した活動を終えた今、私はサークルメンバーを引っ張っていく立場になりました。昨年度の反省を踏まえ、サークル内での交流を深めるためデモトレードの意見交換を行っています。

 こちらは私のデモトレードの記録ですが、私の場合、有価証券報告書の財務情報やアナリストの予測などを利用し、流動比率やD/Eレシオといった安全性の分析、ROEやEPSといった収益性の分析のほか、CAPMにより資本コストを求め残余利益モデルにより理論株価を算出するなど、データを元にした取引を中心に行っていました。

 一方で、一つの株に集中して投資するメンバー、S&P500や金、原油などに連動するインデックス投資を行っているメンバーのほか、株式投資の知識がないためにとりあえずランダムに株式を購入し、知らず知らずのうちにリスク低減の行動をしていたメンバーなど、十人十色のトレード内容が非常に興味深く活動のしがいがあると感じています。

 しかし、現実は厳しく、やはりオンライン上だけの活動では充実感に乏しいものがあります。ワクチン接種も進む中でどうにか対面での活動も今後盛り込んでいき、対面とオンラインのハイブリッド型の活動など、withコロナの時代に適合した新しいタイプの活動をしていく必要があるのではないかと思います。

■滋賀大学 水上慶一(みずかみ けいいち) 経済学部会計情報学科3年、滋賀大学株式投資研究会代表。20歳の誕生日を機に株式投資を始める。貯金と称してつみたてNISAを利用し投資信託を毎月購入している。個別株は米国株の取引がメイン。趣味はボードゲーム。最近はボードゲームカフェに行きたいと思っている。

学生投資連合USIC(がくせいとうしれんごうUSIC) 全国28大学1000人以上で構成される日本最大の金融系学生団体
「日本を学生から金融大国に」というビジョンのもと「学生の金融リテラシー向上」のための活動を行う。企業団体・官公庁との勉強会開催、IRコンテストの運営、金融情報誌SPOCKの発行を行う。https://www.usic2008.org/

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