難聴の人向けに音を増幅させる補聴器。会話が聞き取りやすくなるものの、「補聴器に気づかれたくない」「年寄りだと思われたくない」というのがシニアの本音のようだ。そんなニーズに対応した、スマートフォン(高機能携帯電話)で補聴器の音の調節ができる製品が登場。メーカーは「スマホを使っているように見える」とアピールする。(寺田理恵)
マイク中継も
「誰でも外に出れば、iPhone(アイフォーン)を使っている人を見かける。それで補聴器を操作しているなんて想像もつかない。補聴器を使っていると気づかれたくないユーザーにとっては良いこと」。補聴器メーカー「ジーエヌリサウンドジャパン」(横浜市西区)のマーケティング担当者が説明する。
同社の最新補聴器「リサウンド・リンクス」は、ワイヤレス通信技術によって米アップルのアイフォーンやタブレット型端末「iPad(アイパッド)」と直接、接続して音を再生できるのが特徴。電話で話したり、音楽や音声ガイドを聞くときにイヤホン代わりに使ったりもできる。片耳価格で49万円。
難聴、または恐らく難聴だと思っている人の割合(難聴者率)が高いのは74歳以上(日本補聴器工業会調べ、43・7%)だが、同社は新製品のターゲットを50、60代からの現役世代とした。