「この国の国民皆保険制度を、なんとしても守ってくれ」
人工透析という高度医療を「超・富裕層」以外の人間にも受益可能な日本の医療。バラバラだった父と娘に、共に過ごせた最後の日常を与えてくれた貴いこの制度が、今、想像を超える強い勢力によって急速に切り崩されようとしている。
ある米国人医師は私に言った。無知は弱さになると。一人でも多くの日本人に、知ってほしくて書き上げた。この戦いだけは、負けるわけにいかないのだ。(集英社新書 778円)
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【プロフィル】堤未果
つつみ・みか ジャーナリスト、東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院で修士号取得。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞を受賞。08年『ルポ 貧困大国アメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞を受賞。11年『政府は必ず嘘をつく』で早稲田大学理事長賞を受賞。