【著者は語る】美術家・篠田桃紅氏　「一〇三歳になってわかったこと」 (2/2ページ)

　１００年以上も生きているから、生きるコツなどをよく聞かれます。どんな転機が起きても自分がころっと変わったことはありません。おそらく一生ないと思いますね。いつもおのずからの私っていうもので生きてきましたから、無理はしないし、自分でやれるようにやっているだけです。我が強いといえば我が強い。怠け者といえば怠け者。目標をつくって努力するといった、そんな面倒くさいことは一切しませんから。そもそも「挑戦」という言葉が、戦いですから、いやです。まあなんてやぼな。もっと自然に対応すればいいのにと思いますね。（１０８０円　幻冬舎）

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【プロフィル】篠田桃紅

　しのだ・とうこう　美術家、１９１３（大正２）年生まれ。東京都在住。墨を用いた抽象表現主義者として世界的に広く知られており、今も第一線で製作している。グッゲンハイム美術館、メトロポリタン美術館、クレラー・ミュラー美術館、大英博物館など世界中の一流美術館数十カ所が作品を収蔵しており、世界中にコレクターを擁する。