低賃金に逃げ出す外国人技能実習生 (2/4ページ)

2016.3.21 05:00

岐阜県羽島市にあるシェルターで過ごす唐夕利さん(ブルームバーグ)

岐阜県羽島市にあるシェルターで過ごす唐夕利さん(ブルームバーグ)【拡大】

 日本人は募集しても集まらず、政府と企業には「考え方にねじれがある」と指摘。外国人を単純労働者として受け入れる制度を政府はつくるべきだと主張する。実習生は賃金を得たくて日本側は人手不足を埋めたいという「利害関係だけが一致している」と話す。

 外国人技能実習制度は1993年に創設された。法務省によると、2012年末から15年6月末までに約20%増え、18万人以上が利用する。厚生労働省によると、農業、漁業、建設、食品製造、繊維などの分野の72職種で受け入れ、ソーセージや段ボール箱製造など単純労働もある。制度の本来の目的は技術普及を通じて国際貢献を図ることにあるが、政府や関係者への取材で見えてきたのは、実際には外国人を安価な労働力として使う抜け道となっている事実だ。

 ◆人身売買的な扱い

 厚労省は14年に実習実施機関に3918件の監督指導を行った。うち76%で労働基準法違反が認められたと企業名を明かさず発表。違反には最低賃金の半分近い時給約310円での就労や、月120時間の残業(労働基準法では原則最長月45時間)、安全措置が講じられていない機械などがあった。法務省入国管理局は14年中に241の受け入れ団体と企業に対して最大で5年間の受け入れ停止命令を出した。

 米国務省は15年の人身売買報告書で、実習制度の中で労働者が強制労働の状態を経験しているとし、借金による束縛、パスポートの押収、拘束といった実質的証拠があるにもかかわらず、日本政府は強制労働の被害者を把握していないと指摘した。同報告書によると、実習生の中には最高で1万ドル(約111万円)を支払って職を得て、辞めようとすると数千ドル相当が没収される契約で働く者もいるという。過剰な手数料や保証金、「罰則」の規定も報告されていると指摘した。

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