現在の勤め先に満足している転職者は、不満を持っている転職者を大幅に上回った一方、45歳以上では賃金が下がった人の割合が高いことが20日、厚生労働省が公表した平成27年の「転職者実態調査」で分かった。「満足」から「不満」をひいた「満足度指数」は43ポイントで、同省は「景気回復や人手不足により転職市場が活況で、良い条件を求めて転職し、成功したケースが多い」としている。
調査は不定期で行われ、今回は27年10月、労働者5人以上の民間企業約1万7千事業所と、転職者約1万1千人を対象に実施した。
調査結果によると、直近1年間に転職してきた人がいる企業は全体の35.7%。全社員の中で転職者の占める割合は7.9%で、業種別では不動産業・物品賃貸業(12.6%)、サービス業(12.1%)で高かった。
転職先を選んだ理由は、仕事内容や職種のほか「自分の技能・能力が生かせる」などの回答が上位を占めた。転職先については53.3%が「満足」と回答。転職先の事業規模が大きいほど「満足」と回答した人の割合が高く、「不満」と回答したのは10.3%にとどまった。
一方、転職後の賃金の変化については「増加した」が40.4%に対し「減少した」は36.1%。年齢別にみると、若い転職者ほど「増加」と回答した割合が高かったが、45歳以上では「減少」が上回った。厚労省雇用・賃金福祉統計室は「中高年は、子会社への転籍で給与水準が下がるケースもあることが影響している」とみている。