ヴェネツィアでマリンスポーツの印象が薄い理由 仕事と遊びの境界線がない世界 (1/3ページ)

ヴェネツィアのゴンドラクラブの船倉とパドヴァ大学の教員(安西さん提供)
ヴェネツィアのゴンドラクラブの船倉とパドヴァ大学の教員(安西さん提供)【拡大】

  • ヴェネツィアのゴンドラクラブの船倉(安西さん提供)

【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 言うまでもなくヴェネツィアは海に浮かぶ島である。船は重要な交通手段であり、船なしに日常生活は成り立たない。

 ヴァポレットと呼ばれるバスの役割をする定期便が本島の運河や周辺の島を走る。そこにタクシー役のモーターボートが行きかい、その間を風情あるゴンドラが観光客を案内する。もちろん漁船もある。

 ヴェネツィアには何度も出かけてきて、一つ不思議に思っていたことがある。これだけ海が生活の一部でありながら、マリンスポーツが盛んな印象をもっていなかった。あまりに船の往来が激しいので遊びの場ではないのか、とも考えていた。

 さて先週の日曜日、そのヴェネツィアに出かけた。日本からおいでになった経営学者、パドヴァ大学の経営学者、そしてぼくの3人で昼食をとった。

 イタリア人のパドヴァ大学の学者は盛んにこう語る。

 「人々は他人と同じモノをもつことがつくづく嫌になっている。モノのパーソナライゼーションが強く叫ばれ、職人の手によったモノを欲しいと思うのは、大量生産品への息苦しさの表れでもある」

 例えば、アマゾンには「メイド・イン・イタリー」や「ハンドメイド」というカテゴリーがある。ユーザーはアマゾンには品質が均一な商品を期待しそうなものだが、このカテゴリーに限っては手作りとは一つ一つ異なることを事前に理解したうえでオーダーしてくる。だから一般に想像するようなクレームはこない。

 一つ一つ違うことにこそ意味がある、との考え方に人々の関心が移っているのは明らかだ。

日常生活の延長にある「ゴンドラ」

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