【IT風土記】長崎発 離島活性化の起爆剤となるのか 電子化された地域通貨「しまとく通貨」の挑戦 (3/3ページ)

 電子化がもたらす新たな可能性

 電子化の導入で発行委員会も通貨の発行を観光客が減少する閑散期にしぼり込むなど戦略を転換した。利用額は紙の時代に比べ10分の1くらいまで減少したが、加盟店の中には通年での利用を望む声が根強い。また、スマホに不慣れな高齢者が使いにくいといった課題もある。しかし、「当時の混乱を考えると、今の仕組みをうまく活用した方がいい」(ビューホテル壱岐の吉田繁社長)と評価する声も上がっている。

 電子化によって、金券では入手が難しかったさまざまな情報を集めることができる。性別や年齢層、個人客と団体客の利用割合、買い物や食事、宿泊費などの費目などだ。発行委員会では半年間で得られた情報を分析しながら利用者のニーズに合った観光戦略を検討する考えだ。

白川博一・壱岐市長。しま共通地域通貨発行委員会の会長を務める

白川博一・壱岐市長。しま共通地域通貨発行委員会の会長を務める

 発行委員会の会長を務める壱岐市の白川博一市長は「壱岐市はしまとく通貨を活用したツアー商品が効果を上げているが、電子化によって、これまで以上に旅行会社からの新しい提案が増えている。一方で、五島列島には五島列島のニーズがある。データを分析し、観光客のニーズを調べながら、新たな呼び水となる施策を打っていきたい」と語る。離島を抱える全国の自治体も「しまとく通貨」の取り組みに注目し、電子地域通貨の導入を検討するところもあるという。「しまとく通貨の取り組みが全国の離島に広がれば、各地の離島との連携も可能になる」と江口事務局長。長崎の小さな島々から始まった取り組みが全国の離島を活性化させる大きなきっかけになるかもしれない。

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