アサヒGHD、年内に「英語⇔日本語」自動翻訳ソフト導入 海外子会社との意思疎通強化


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 アサヒグループホールディングス(GHD)が社内のテレビ会議やメールに、英語と日本語を相互に自動翻訳するソフトを今年末に導入することが20日、分かった。語学が不得意な社員でも海外子会社との意思疎通がしやすいようにし本社との一体運営につなげる。

 東芝の米原発子会社やキリンホールディングスのブラジル子会社が巨額損失を計上するなど海外のM&A(企業の合併・買収)先の企業統治の難しさも問題となる中、密なコミュニケーションでリスクを事前に排除する狙いもある。

 アサヒGHDは月1回、本社と欧州などの海外子会社が、業務執行報告のテレビ会議を同時通訳で行っている。導入するソフトは、会議での発言を音声認識した上で自動翻訳しテレビ画面に英語と日本語でそれぞれ文字表示する仕組みだ。

 システム会社が開発したソフトをアサヒGHD向けに仕様変更した上で導入。社内メールにも同様に自動翻訳ソフトを取り入れる。

 ファーストリテイリングや楽天など一部の日系企業で英語を社内公用語にするケースもあるが、アサヒGHDはITの活用で社員の負担軽減を図る。

 同社は3月、ベルギーの世界最大のビール会社、アンハイザー・ブッシュ・インベブから東欧のビール事業を約9千億円で買収するなど海外事業を強化。海外子会社との対話を通じ、収益性や幹部の離職、法令順守などの状況を点検し「早期にリスクに対処する」(首脳)方針だ。