トヨタ、外資系コンサル…かつての職場でクビ寸前 「負けたこと」はいつか大きな財産になる (1/4ページ)

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 製薬会社MSDの執行役員・中島理恵さんは、新卒でトヨタ自動車に入り、外資系コンサルティング会社を経て、現在の職場に移ってきた。かつての職場では「クビ寸前」というほどの大失敗の経験があるという。どんなキャリアを歩んできたのか。雑誌「プレジデントウーマン」の名物連載から、中島さんのエピソードを紹介しよう--。

 新卒でトヨタに入社して2年目の失敗

 「『負けたことがある』というのが、いつか大きな財産になる」というセリフがお気に入りだ。漫画『スラムダンク』の中で、常勝チームが負けたときに監督が選手たちにかけたことばである。中島さんもこれまでのキャリアの中で失敗を大きな財産にしてきた。

 最初の財産のもとは、新卒でトヨタに入社して2年目の失敗。トヨタの役員のほかに、海外の有識者、政財界の重鎮たちが10人ほど集まる会議の裏方を担当した。航空券の手配や来日するスペシャルゲストの奥さま方に渡すお土産を選ぶ仕事。それが不満だった。

 「会議の中身を考えたり資料をつくったりするのが花形だと思っていたので、雑用をやらされている気分になってしまったんです」

 ふだん穏やかな上司が、ふてくされた態度の中島さんを見かね、部屋に呼んで「みんなやりたくない仕事で給料をもらっているんだ」と叱った。1~2年後、その上司から「会議は裏方のほうが難しくて、それを任せたつもりだったんだよ」と本心を聞かされた。

製造ラインを2時間も止め、記憶が飛ぶ