耕作放棄地で大麦育て発泡酒造り 「両河内エール」完売で地ビール工場へ一歩 静岡・両河内地区 (2/2ページ)

「両河内エール」=8日、静岡市清水区(吉沢智美撮影)
「両河内エール」=8日、静岡市清水区(吉沢智美撮影)【拡大】

  • 「両河内エール」を手にするNPO法人「複合力」の加藤伸一郎副理事長=静岡市清水区

 酒税法ではビール製造の免許を取る場合、年間60キロリットルの製造が必要。大麦の生産量が足りないことから、年間6キロリットルと10分の1で済む発泡酒造りに切り替え、今夏、島根県江津市の石見麦酒に製造を依頼した。

 完成した発泡酒は大麦の香りと濃厚な味わい、きめ細かい泡が特徴。フレーバーとしてレモングラスが加えられ、爽やかな飲み口と好評を得た。商品名のエールには「地元を盛り上げようとの思いを込めた」(加藤副理事長)。

 「両河内エール」は地元の酒屋や複合力運営ショップcomo(清水区西里)で販売、市内のレストランでも提供した。7~10月に3回に分け計約400リットルを生産し、瓶詰330ミリリットルで540円(税込み)と高価だが、すでに完売。来春は大麦生産量を増やし、再び製造を依頼する。

 複合力では、希少な酒米「亀の尾」を入手。休耕田を利用して酒米の生産量を増やし、裏作で大麦の生産も拡大をする。来年も地発泡酒を発売するが、「将来的には工場を建設して地ビールを生産したい」と加藤副理事長。地酒の日本酒造りにも挑戦し、「地ビールと地酒のギフトセットを販売する」夢も描いて。