「自分勝手」に気分転換できているか 楽しく仕事をするために (3/3ページ)

 そうすると、1日24時間のなかでいろいろな世界をもつ。そのために旅を出て多くの人と出会う。こういう結論がでる。または、こういう結論がでやすい。

 だが、ここでも「待てよ」と思う。

 一日中、工房で黙々と手を動かす職人は、その工房から出るまでは切り替えの暇がないのか? そうではないだろう。社外の人たちとの付き合いが多い人でなくても、複数の世界を職場で味わえないと、楽しさの真意を分かったことにならない。

 複数の世界を一日のなかで経験できるとは、人の内面で複数の世界を行き来することを指す、というのが妥当な解釈になる。

 自分1人で多角的に考える。このプロセス自体をズームアップやズームアウトするのが、切り替えなのだ。「自分勝手」に気分転換できている人が楽しい。(安西洋之)

 筆者が企画に参画しているセミナーが2018年1月13日「ビジネスは魅力的なアート?」と19日「サスティナビリティある愛とは?」の両日、立命館大学東京キャンパスで開催されます。

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【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)

安西洋之(あんざい ひろゆき)上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『デザインの次に来るもの』『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。