なぜ自衛隊は休むことを「命令」するのか ビジネスマンが知らない戦力回復とは (2/7ページ)

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 統幕長就任直後には、北朝鮮による日本本土を越える弾道ミサイル発射に対処し、東日本大震災の災害派遣では、自衛隊初の陸海空の統合任務部隊を編成。米軍の「トモダチ作戦」と連携した被災地での救助活動も中央で支えました。

 自衛官人生後半の大きなテーマは、ずばり自衛隊の国際化でした。海外での活動、あるいは実際的なオペレーション経験が豊富な米軍などとの共同訓練を通じて、組織改革やオペレーション改革の参考になる示唆を得ることができました。

 企業でいえば、私が務めてきたのは企業トップに当たるポジションです。そして、そこで得た重要な学びの一つが、組織全体として厳しい任務をどうやって効率性を損なわずに続けていくのか、ということでした。

 この「厳しい任務にもかかわらず、効率を落とさず継続する」、つまり「戦略の成功確率を上げる」という部分において、自衛隊の活動が一般の方々の参考になる部分があるのではないか、と思います。

 誤解を恐れずに申し上げるなら、現在の企業経営は、戦略を実行することでいかに目の前の成果を手にするか、ということに主眼が置かれているのではないでしょうか。そして戦略を実行する人たちはつねに一定のモチベーションを保ち、いくら働いてもパフォーマンスが落ちない。つまり「つねに人は合理的な行動をとる」というモデルのような存在として位置づけられているように思えます。

 しかし現実には、シビアな戦略を実行するためには、経営層からミドル、現場レベルのスタッフまで、心身の健康が保たれていることが大前提です。なぜなら、戦略を実行するのは機械ではなく「人」であり、その「人」はコンディション次第で大きくパフォーマンスが変わってくるからです。

「人は疲労し、疲労が人のパフォーマンスを低下させる」ことが前提