なぜ自衛隊は休むことを「命令」するのか ビジネスマンが知らない戦力回復とは (4/7ページ)

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  • 折木良一『自衛隊元最高幹部が教える経営学では学べない戦略の本質』(KADOKAWA)

 あるいは、睡眠時間の長さも、パフォーマンスに大きく影響します。米ペンシルベニア大学とワシントン大学が「普段7~8時間の睡眠をとる48人の健康的な男女」を集め、「8時間睡眠を2週間続けるグループ」と、「6時間睡眠を2週間続けるグループ」に分けて行なった実験では、「6時間睡眠を2週間続けると、2日連続で徹夜をしたときのパフォーマンスと同じ状態になる」という結果が出たといいます。

 その一方で、「8時間睡眠を2週間続けるグループ」には、認知機能や運動能力の低下や注意力の減退は見られませんでした。

 おそらく多くの企業では、蓄積した疲労が回復しないまま、パフォーマンスの落ちた状態で仕事に取り組んでいる人が、社内(部署内)に少なからずいるのではないでしょうか。さらには「第1段階」の人でも、6時間睡眠が続いてしまうような状況では、いつ「第2段階」に進んでもおかしくありません。

 「戦力回復」の視点がない職場環境において、「第2段階」以降に進んだ人に対し、新しい経営戦略に沿った業務改革を伴うアクション・プランを実行させたり、PDCAサイクルによる修正を何度も繰り返させる「攻めの経営」を行なっても、それによって現場の負担が増え、かえって戦略の成功確率を引き下げてしまうのではないでしょうか。

東日本大震災と「戦力回復」の真実