君たちはどう辞めるか 3回会社を辞めた私が考える「サラリーマンの理想の引退」 (1/4ページ)

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【常見陽平のビバ!中年】

 春はお別れの季節である。異動、転職、さらには定年退職などだ。その時に、彼ら彼女たちを見て、立ち止まって考えて欲しい。170万部のベストセラーになっている『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎・作 羽賀翔一・画 マガジンハウス)風に言うならば、「君たちはどう辞めるか」だ。転職するにしろ、定年退職まで働くにしろ、自分はどう働き、どう身を引きたいのかを考えてみよう。

 会社員にとっては「引き方」「辞め方」は自分で選べるとは限らない。異動に関しては、自分たちの都合では決められない。定年退職前に会社を飛び出したいという衝動に駆られる人もいるかと思うが、家庭の事情でそうはいかないという人もいるだろう。いわゆる「嫁ブロック」だ。とはいえ、自分の理想の「引退」については考えておきたい。

◆西部邁と田原総一朗の引き際

 「辞め方」という点では、中年としてはバンドの解散、歌手やスポーツ選手の引退のことを思い出してしまう。

 氷室京介、布袋寅泰などが在籍したBOOWYの解散などは、中年的にはしびれるものではなかったか。全盛期の1988年に解散。2016年に氷室京介がライブ活動を引退した際に、布袋寅泰が共演をほのめかすような発言をするも実現はしなかった。そう、解散後、氷室と布袋は公の場では一度も共演していないのである。リスペクトしあいながらも、交わらないのだ。

 同じく中年として語りたくなってしまうのが、松井秀喜の引退だ。1974年生まれの私にとっては、同世代の英雄だ。なんせ、高校時代の5打席連続敬遠が懐かしい。ちょうど私も高校3年生だった。自分は何者でもないのに、ここまでの怪物が同世代にいるのかと驚いた。

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