"粗食・断食"は寿命を縮める悪習慣 「和食のほうが体にいい」の勘違い (1/5ページ)

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 和食は世界に誇るヘルシーフードと言われます。それに対し、肉を中心にした欧米型の食事は健康に悪いというイメージを持つ人が多いようです。ところが近年、そのイメージに反する調査結果が発表されました。2月に新著『だまされない』(KADOKAWA)を刊行した医師・作家の鎌田實さんが解説します--。

 体にいい食生活というと、みなさんはどんなものを思い浮かべますか。ご飯に味噌汁、焼き魚といった、いわゆる伝統的な日本の食卓をイメージされるかもしれません。

 実は、国立国際医療研究センター等の研究チームが、興味深い研究結果を発表しています。この研究では、食事の内容を健康型、伝統型、欧米型の3つのパターンに分け、それぞれの死亡リスクについて調べました。健康型の食事とは、野菜、果物、イモ類、大豆製品、きのこ類、魚、緑茶など。伝統型の食事は、ご飯や味噌汁、漬物、魚介類など。欧米型の食事は、肉、パン、乳製品、果物のジュース、コーヒーなどです。

 伝統的な和食より「欧米型」が寿命を延ばす?

 このなかで、最も死亡リスクが低かったのは、健康型の食事の傾向が強い人たちでした。これは容易に想像できる結果です。しかし、健康型に次いで死亡リスクが低かったのは、欧米型の食事の傾向が強い人たちだったのです。

 具体的には、健康型の食事の傾向が強い人たちは、同じ傾向が弱い人に比べて心臓病の死亡リスクが25%低いという結果が出ましたが、欧米型の食事の傾向が強い人も、傾向が弱い人より12%低くなっていました。脳血管疾患による死亡リスクも、健康型の食事の傾向が強い人たちは37%低くなっているのに対し、欧米型の食事の傾向が強い人たちも12%低くなっていたのです。思いのほか、いいのです。

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