【書評】『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』本山勝寛・著


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 ■制度の“悪玉論”に真っ向反論

 「消費者金融より悪質」「未返済額が急増」などと最近、流布している“奨学金悪玉論”に真っ向から反論する一冊。

 極貧家庭に育ったという著者は複数の奨学金を得て、公立高から東大工学部、米ハーバード大大学院へ進学。詳細なデータを挙げ、消費者金融より金利が高い実態などなく、大学進学率の増加を見れば延滞者・額の比率はむしろ下がっていると、“悪玉論”の「嘘」を突いてゆく。

 「借りたもの」を返すのは、当然行わなければならないこと。制度への批判を良いことに知らぬ顔を決め込む行為や、高い授業料の方を世間は非難すべきではないか。(864円、ポプラ新書)