「一橋徳川家の200年」たどる 茨城県立歴史館で21日まで特別展 (1/2ページ)

能装束の「唐花打板雲文様段替厚板唐織」(いずれも県立歴史館提供)
能装束の「唐花打板雲文様段替厚板唐織」(いずれも県立歴史館提供)【拡大】

  • 徳川宗尹の肖像画(県立歴史館提供)
  • 香合わせの用具の「斑梨子地沢潟菱唐草葵紋散蒔絵十種香箱」

 水戸徳川家出身の江戸幕府第15代将軍、徳川慶喜が当主となるなど水戸とゆかりが深い一橋徳川家の歴史や名品などを紹介する特別展「一橋徳川家の200年」(産経新聞社水戸支局など後援)が水戸市緑町の茨城県立歴史館で開催されている。

 一橋徳川家は江戸時代に清水、田安の両家とともに江戸城内に屋敷を与えられた「御三卿(ごさんきょう)」の一つ。第8代将軍、徳川吉宗の四男、宗尹(むねただ)を初代当主に、第11代将軍の家斉や慶喜を輩出するなど将軍家と密接に関わってきた。

 「水戸、尾張、紀伊の『御三家』と間違えやすいが、それよりも将軍家に近い存在」(歴史館担当者)という御三卿。その一橋家は江戸時代中期から武家社会の中心に関わり、多くの大名や京都の公家との交流を通じて独自の文化を発展させてきた。

 水戸徳川家出身で、一橋徳川家12代当主の宗敬(むねよし)が継承品を県に寄贈したことをきっかけに、歴史館は昭和62年に一橋徳川家記念室を開設。特別展では所蔵する資料約6千点の中から、古文書や婚礼道具、美術品などえりすぐりの116点を展示。江戸時代中期から幕末を経て、戦後に至る200年間の足跡をゆかりの品を通じてたどることができる。