大阪万博のシンボル、「太陽の塔」内部公開スタート 耐震工事など経てリニューアル

内部公開が始まった「太陽の塔」。塔の地下のプロローグ空間には「地底の太陽」もある=19日午前、大阪府吹田市の万博記念公園(永田直也撮影)
内部公開が始まった「太陽の塔」。塔の地下のプロローグ空間には「地底の太陽」もある=19日午前、大阪府吹田市の万博記念公園(永田直也撮影)【拡大】

  • 内部公開が始まった「太陽の塔」=19日午前、大阪府吹田市の万博記念公園(永田直也撮影)

 昭和45年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)のシンボルで、芸術家の故岡本太郎氏がデザインした「太陽の塔」の内部公開が19日、大阪府吹田市の万博記念公園で始まった。万博閉幕後は原則非公開だったが、耐震工事や展示品の修復を経てリニューアルした。

 事前予約した来場者は、地下のプロローグ空間で大型オブジェ「地底の太陽」(全長約11メートル)と遭遇。プロジェクションマッピングなどで、さまざまな顔の変化を楽しめる。万博開催当時は「過去の根源の世界」をイメージした地下空間に設置されていたが、閉幕後に行方不明となり、改修事業を機に復元された。

 塔内部には原生生物が人類へと進化する過程を描いたオブジェ「生命の樹」(高さ約41メートル)がそびえる。かつて292体あった生物模型のうち183体を再び取り付けた。頭部の表面が剥がれ鉄筋がむき出しとなっているゴリラ1体のみが当時の姿のままで、半世紀の時の刻みを実感させる演出となっている。

 万博では塔上部への移動にエスカレーターを利用したが、細部をよりじっくり見ることができるよう、階段に変更した。

 大阪府は公開に向け、平成28年から塔の耐震補強工事や展示物の修復工事も進めていた。入場は30分ごとに80人ずつで、1日最大1120人。4月までの予約枠は埋まっているという。