伝説の武将,実像に迫る 藤原秀郷と那須与一のテーマ展 栃木県立博物館 (1/2ページ)

藤原秀郷の活躍を描いた月岡芳年の錦絵「前太平記相馬内裏之図」(上部)などが展示されている=宇都宮市睦町の栃木県立博物館
藤原秀郷の活躍を描いた月岡芳年の錦絵「前太平記相馬内裏之図」(上部)などが展示されている=宇都宮市睦町の栃木県立博物館【拡大】

  • 那須与一愛用と伝わる鐙が展示されている那須与一伝承館=栃木県大田原市南金丸(伊沢利幸撮影)

 歴史上、伝説的な活躍で知られ、栃木県内にゆかりの深い武将、藤原秀郷と那須与一を紹介するテーマ展「藤原秀郷と那須与一-伝説の武将の実像に迫る-」が栃木県立博物館(宇都宮市睦町)で開かれている。4月8日まで。いずれも詳しい足跡は分かっておらず、研究者によっては実在さえ疑われるが、武士の世界では“2大スーパースター”。同館所蔵の貴重な史料で2人の活躍を紹介している。

 藤原秀郷は下野で生まれ育ったとみられ、平安時代中期、平将門の乱(935~40年)を制圧した。大ムカデ退治の「俵(たわらの)藤太(とうた)」伝説も有名。中世の東国武士に秀郷の子孫を名乗る名家が多かった。一方、那須与一は平安時代末期、源平合戦(1180~85年)で扇の的を射落とす名場面が「平家物語」に登場する。那須地域に数々の伝承が残る。

 展示は同館所蔵史料を中心に34点。古文書や系図、屏風絵(びょうぶえ)、明治時代に描かれた錦絵などが並ぶ。長く2人の物語が語り継がれ、人気が全国的だったことが分かる。