【著者は語る】葛和満博氏「小さな飲食店は最強の生き抜く力」


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 □ジャスマック会長・葛和満博氏

 ■経営者にとって「店の所有」の必要性は?

 「店舗銀行システム」なら、繁華街好立地に店舗づくりのプロがつくった、収益力のある店で飲食店を開業できます。

 店舗銀行システムがこれまで対象とし、支援してきた飲食店はおよそ3000店舗以上、おおむね10~15坪の小さなお店です。

 小さな店は、ほとんどが個人経営の「なりわい(生業)店」です。小さななりわい店の成否は、居酒屋にしてもスナックにしても、経営者の働き一つにかかっています。

 店舗銀行システムは、内装も含め、すぐにでも開業できる店を定額で借りることができるシステムです。経営者が懸命に働けば働いた分だけ、確実に売り上げとなる、やりがいのある世界なのです。

 人手が足りないときは、兄弟姉妹、子供など家族に協力してもらうか、アルバイトを1人か2人雇う程度でいいでしょう。

 私が現在までいちずにシステム普及に尽力してきた理由を、誤解を恐れずに言えば、「資本力のある外食企業ならいざ知らず、なりわい規模の店を借金までして作り、所有すべきものだろうか」という問いなのです。

 確かに、自分の店を持つ(所有する)のは、1つの城を手に入れ、その城主になったような気分になれるかもしれません。それはそれなりに誇らしく、快いこととは思います。

 しかし、たとえ城主であるとはいえ、生身の人間です。人生、その身に何時、何が起こるか、分かったものではありません。

 けがや病気に襲われるかもしれないし、心身の老化も避けられない。また、熱意を持って取り組んでみたものの、経営不振に陥ることもあります。そうなると多くの場合、せっかくの店を手放さなくてはならない状況に迫られます。

 ここで改めて、店は何のためにあるのかを考えてみたいと思います。経営者にとって本来の店を持つ目的は「店を所有すること」ではなく、「経営して収益を上げること」にあるはずです。

 経営者の楽しみ、喜び、誇りといったものは、自らが人間力を発揮し、店を繁盛させてもうかることによって初めて得られるのであって、店の所有とは関係がない。であるならば、経営者は、必ずしも店を所有する必要がないのではないでしょうか。(1620円、ダイヤモンド社)

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【プロフィル】葛和満博

 くずわ・みつひろ 1931年、中国・遼寧省大連市(満州)生まれ。早稲田大学商学部在学中に貿易会社を興す。61年、ジャスマックの原点となるアモン商事を設立後、「店舗銀行システム」による飲食業の管理業務を始める。「資本と経営と運営の分離」を基本理論とした独自のマネジメントシステムにより不動産の開発と運営にあたる。著書に『飲食店のオーナーになって儲ける法』(ビジネス社)、『飲食業の革命方式』(K.K.ベストセラーズ)など。