社員の健康増進プログラム、効果なし? (1/2ページ)

健康増進プログラムへの参加に、報奨金は動機とならないようだ(ブルームバーグ)
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 社員の健康増進プログラムには、2つの目的がある。社員の健康促進と雇用主の医療費負担削減だ。だが、新たな研究により、プログラムはそのいずれにもあまり貢献しないことが分かった。

 研究では、米イリノイ大学アーバナシャンペーン校の職員3300人に1年間、健康増進プログラムを利用する権利が与えられた。比較対照となるグループの1534人には与えられなかった。

 利用権を与えられた職員は無作為に6つのグループに分けられた。利用できるサービスは同じだが、各グループにはプログラムの各段階を完了するごとに50~350ドル(約5250~3万6750円)まで異なる報奨金が支払われた。

 研究者らが欲しかったのは、健康増進プログラムは健康状態や医療費支出、生産性などに影響を与えるか、報奨金でプログラム参加者は増えるか、最も参加する可能性が高いのはどのような人か、という3つの疑問への答えだ。

 結果は、健康増進プログラムは報奨金付きであっても、職員の行動をほとんど変化させないということだった。

 健康増進プログラムの有効性を調べる調査は以前から行われているが、結果はまちまちだ。

 調査の大半はプログラムへの参加を希望した人とそれ以外の医療費の差に着目し、節約効果を見るもの。今回の研究はプログラムの利用権を持たない比較対照グループを無作為に設定することで、医療費格差はプログラム開始以前から存在していたことを突き止めた。

 同研究に携わるシカゴ大学公共政策大学院ハリススクールのダモン・ジョーンズ准教授は「私たちの研究結果は先行試験の約80%に見られるこの種の影響を排除したものだ」と話す。

報奨金は効果が薄いことが分かった