厚労省、中高年の転職などでガイドライン 再雇用推進で生産性を向上

 中年世代の転職や高齢者の再就職を支援するため、厚生労働省は、行政や企業が取り組むべき方策をまとめた新たなガイドライン(指針)を策定した。従来の新卒一括採用や終身雇用に縛られず、中途採用や再雇用を推進することで生産性の向上につなげ、年齢やライフステージの変化に応じて仕事を選びやすくする狙い。

 指針は、日本型雇用システムの中で、年齢が上がるにつれて転職のハードルが高くなっていると指摘。転職や再就職がしやすい環境になれば、働く人が有効に能力を発揮できて、生産性向上にもつながると意義付けた。

 具体的には、企業が取り組むべき施策として「元の職種にとらわれない採用」や「自社から転職した者の再入社制度の検討」「中途採用者を賃金や昇進などで公平に処遇すること」を挙げた。

 国の支援策では、中途採用の好事例の周知や、積極的な企業への助成金支給を盛り込んだ。

 政府は昨年3月にまとめた「働き方改革実行計画」で、転職者の受け入れ促進を経済界に要請すると明記。また、新たな看板政策「人づくり革命」について議論する有識者会議でも、中途採用の推進を検討している。